第105回全国高校野球選手権富山大会第7日(24日)準々決勝が行われ、高岡一は石動を10―0の五回コールドで下し、富山商は不二越工に6―0の完封勝ち。高朋は高岡向陵とのノーシード対決を3―1で制し、富山北部は新川に6―2で勝った。4強が出そろい、27日に富山市民球場で準決勝が行われる。
●打ってはソロ、投打に躍動
これぞエースの快投だった。富山商の上田海翔(3年)は130キロ台後半の直球に多彩な変化球を織り交ぜ、不二越工打線を散発4安打に抑えて完封。四回には公式戦初となるソロ本塁打も放ち、投打の「二刀流」で躍動した右腕は「バックに本当に助けられた」と仲間に感謝した。
「完投する気でした」と最初は直球で押して打たせて取り、後半にギアを上げた。スライダー、チェンジアップ、カーブ、習得中のフォークを効果的に使って凡打の山を築き、炎天下での147球にも「あまり疲れはない」と心強かった。冬場のバイクトレーニング、夏場の暑い中でのポール間走が実を結んだ。
四回には先頭で打席に立ち、「何としても出る」と狙っていた甘いカーブを捉えて左翼へ本塁打。「たまたまだったけど、うれしかった」と満面の笑みでダイヤモンドを1周した。六回には2死満塁のピンチを招いたが、春から成長したというメンタルで強気に攻め、次打者を右飛に打ち取った。
2、3回戦は「まだ良い球を投げられていない」と消化不十分で、この日の完封劇にも「無駄な四球が多い」と反省した。「他校に負けない気持ちをプレーに出す。全員野球で次も勝つ」。頼れる背番号1は、頼りにする仲間とともに夏の頂しか見ていない。
●不二越工、打線沈黙
富山商6―0不二越工
○…富山商は三回、足谷の適時打、福田の2点適時打で3点を先制。4―0の八回は鶴田の二塁打や竹田の適時打に相手のミスを絡め、リードを広げた。
不二越工は打線が散発4安打と沈黙した。六回の満塁機、八回の得点機も決定打を欠いた。