島の老舗が休業、太鼓と三線で惜しむ 青年会、感謝伝えるエイサー披露 創業63年の松金商店「感無量」 沖縄・伊平屋

 【伊平屋】伊平屋村我喜屋地区にある創業63年の松金(まつがね)商店が7月1日から休業した。それに伴い、我喜屋地区青年会会長の呼びかけで集まった青年会OB、OGおよび現役メンバーが6月30日営業終了後にエイサーを披露した。この日は村内放送も流れ、開始時間に合わせて付近の道路は通行止めに。商店は長年の営業に感謝を伝える花束であふれた。

 沿道にはいまかいまかと大勢の島民が集まり、力強い太鼓や優しく響き渡る三線の音色、チョンダラーの踊りを楽しみ、子どもたちは大はしゃぎで獅子舞を追いかけていた。演舞終了後は店主の伊礼幸子さんと長男の篤さんへ親族や地域住民から感謝の言葉が贈られ、2人は「大変なこともあったが乗り越えて続けることができて良かった。こんなにたくさんの方に集まっていただいて感無量だ」と涙ながらに語り抱き合った。

 笑いあり涙ありの宴は1時間以上にわたり、別れを惜しむ人々が集い語り合い、子どもたちには無料でジュースが配られ、にぎやかな時間が夜遅くまで続いた。

 (関麻衣子通信員)

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