ロシア、ドナウ川沿いの倉庫攻撃 ルーマニア国境、代替路を標的か

ロシアの攻撃で破壊された穀物倉庫=24日、ウクライナ・オデッサ州(ウクライナ軍提供、ロイター=共同)

 【キーウ共同】ロシア軍は24日、ウクライナ南部オデッサ州を流れるドナウ川沿いのレニの穀物倉庫や港湾施設を無人機で攻撃した。川の対岸はNATO加盟国のルーマニア領で、同国は攻撃を非難。ロシアが黒海経由のウクライナ産穀物輸出合意から離脱後、ドナウ川を通じた輸出が代替ルートになると言われており、ロシアが妨害を狙った可能性がある。

 米シカゴ穀物市場の小麦先物相場は、供給への懸念を背景に上昇傾向に。週明け24日に取引量の多い中心限月で前週末から8%超上昇したのに続き、日本時間25日の取引では一時、今年2月以来となる高値水準を付けた。

 ルーマニアのヨハニス大統領は「ルーマニアに非常に近いウクライナのインフラに対するロシアの攻撃を強く非難する。黒海の安全に深刻なリスクをもたらす」と投稿した。

 ルーマニアと同じくウクライナに隣接するポーランドの東部では昨年11月、ミサイルが着弾し2人が死亡。NATOがロシアとの戦闘に巻き込まれると一時懸念されたが、その後ウクライナの迎撃ミサイルの可能性が強まった。

ルーマニア国境のウクライナ・オデッサ州レニへの攻撃で損壊した穀物貯蔵庫。24日にSNSに映像が公開された(ロイター=共同)

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