サミットをチャンスに 「G7首脳が食べたことは励み」 世界に売り込め 広島牛

G7サミットでは各国の首脳をもてなすメニューとしても登場した「広島牛」の話題です。サミットをきっかけに、さらなる消費拡大を目指す取り組みです。

広島市中央卸売市場にある食肉市場です。

末川徹 記者
「枝肉がずらりと並んでいます。わたしの背丈よりも高いです。こちらは、A5ランクと書かれています」

広島牛の枝肉を審査する畜産共進会には、広島県内の生産者から、A5・A4ランクあわせて27頭が出品されました。

近年は、コロナ禍による外食需要が低調なことや、エサとなる飼料価格の高騰で、生産者にとって厳しい状況が続いています。こうしたなか、牛肉の品質を競い合い、広く発信することで消費回復を目指す考えです。

共進会に参加した生産者や購買者などは、1つずつこまめに枝肉を品評していきました。

品評した人
― どこをチェックする?
「ロース肉が大きかったら、サーロインが大きい。ヒレが中にあるか」
「ライトをあて、(枝肉を)見やすく。サシ(脂肪)の入り方など」

最優秀賞に選ばれた、神石高原町から出品した肉はセリにかけられ、キロあたり3380円の値が付きました。生産者の家族は…

最優秀賞を獲得 生産者の家族
「ビックリした。いろいろな人が食べて、消費につながれば。飼育・繁殖農家にとってもよい」

ところで、「広島牛」といえば、5月のG7サミット初日の18日、世界遺産・宮島で開かれたワーキングディナーで、首脳たちにふるまわれました。

広島食肉市場 萬谷年治 社長
「外国の首脳が食べてくれたのは、励みになる。これからもいい牛を作っていこうという感じにはなっている」

サミットにあやかり、知名度向上などを図ろうと、広島牛を取り扱う広島食肉市場は、関係団体と連携し、「Hiroshima Gyu7(ぎゅーせぶん) プロジェクト」を立ち上げました。特設サイトで、広島牛を食べられる飲食店などを紹介するほか、県内のホテルとコラボして、期間限定メニューを提供する取り組みを続けています。

新型コロナが5類に移行した今、インバウンドを加速させ、「広島牛の肉質・脂のマッチングを楽しんでもらいたい」と話します。

広島食肉市場 萬谷年治 社長
― インバウンドで何を期待?
「カキ・広島牛・宮島・原爆ドームを堪能してもらいたい」

広島県としても「広島を代表する食の1つとして認知されるよう、県民にも食べてもらえる環境づくりを目指したい」としています。

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