文星付16年ぶり栄冠 作新下し11度目聖地へ 夏の高校野球

サヨナラで16年ぶりの優勝を決め、歓喜する文星付ナイン=25日午後0時35分、県営球場

 第105回全国高校野球選手権記念栃木大会最終日は25日、県営球場で決勝を行い、文星芸大付が黒崎翔太(くろさきしょうた)の左越えサヨナラ本塁打で作新学院を6-5で下し優勝、16年ぶり11度目の夏の甲子園出場を決めた。県高校野球界をリードしてきた両チームの決勝での対決は4年ぶり。県高校野球史に残る熱戦に、4700人のファンが酔いしれた。

 緊張感が漂う決勝戦独特の雰囲気の中、午前10時1分にプレーボール。試合の主導権を握ったのは文星芸大付だった。

 初回に主砲小林優太(こばやしゆうた)の中前適時打で幸先良く1点を先制すると、二回に大塚和央(おおつかやまと)の右前適時打で1点を加えた。さらに三回には)山田匠(やまだたくみ)、江田修(えだしゅう)の連続適時打で2点を追加。作新学院の先発小川哲平(おがわてっぺい)、2番手福冨竜世(ふくとみりゅうせい)を攻め立て、試合を優位に進めた。

 文星芸大付の先発渋谷優希(しぶやゆうき)、2番手堀江正太郎(ほりえしょうたろう)の攻略に苦しんでいた作新学院は、1-5と4点を追う土壇場の九回表に「名門」の意地を見せる。

 澤田秀翔(さわだしゅうと)、斎藤綾介(さいとうりょうすけ)、磯圭太(いそけいた)の適時打など5安打を集め、4点を奪って試合を振り出しに戻した。しかし、そこまで。九回裏1死走者なしから、大会を通じて好投を続けてきた磯が黒崎に痛恨の一発を浴び、2年ぶりの甲子園の夢を絶たれた。試合時間2時間34分の大熱戦だった。

 全国高校野球選手権は8月3日に組み合わせ抽選会を行い、同6日、兵庫県西宮市の阪神甲子園球場で開幕する。

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