金沢・平和町商店街、新店に沸く 焼き肉、カフェ、韓国居酒屋、4月以降3店

地元の平和町に焼き肉店をオープンした山田さん(右)=金沢市平和町2丁目

  ●「活気取り戻す」 

 金沢市の平和町大通り商店街で新規出店が続いている。4月下旬、約2年ぶりに居酒屋がオープンしたのを皮切りに、6、7月にはカフェ、焼き肉店が相次いで開業。市中心部から離れ、集客しやすい立地ではないものの、「地域に活気を取り戻したい」と地元関係者が出店を決めた。高齢化を理由にのれんを下ろす店舗も多い中、商店街は心強い「新人」の登場を歓迎している。

 平和町大通り商店街振興組合によると、同組合が設立された1969年ごろ、商店街には約60店が軒を連ねたが、徐々に減少して一時は約40店に減った。近年はコロナ禍で商売をやめる人もいたが、2年前にテークアウト需要に対応したカレー店が開業し、今年4月以降に3店が加わったことで現在は47店に増えた。

 市立病院から寺町通りを挟んで向かい側の空き店舗では今月12日、焼き肉店「やまちゃん」がオープンした。カウンター8席で和牛の特選カルビやロース、能登豚バラを提供し、住民や陸上自衛隊金沢駐屯地の隊員から早くも人気を集めている。

 運営するエヌ&アイ(平和町3丁目)の山田裕貴代表(35)は生まれも育ちも平和町。幼少期から通った焼き肉店が数年前に閉店したことを受け、「地元の元気を取り戻したい」と新店を出す決意を固めた。

 6月1日には商業施設ニューアルコに「喫茶ミモザ」がオープンした。昼は栄養満点で体に優しいランチを提供し、夕方はカフェ、夜はカラオケバーとして営業する形態で、一日を通して集客できるのが特徴。商店街で日本酒バーも営むオーナーの松本文さん(52)は「近所の人にかわいがってもらいたい」と話す。

 両店に先立ち、4月22日には「韓国居酒屋あんじゅ」が営業をスタート。朴永奎(パクヨンギュ)さん(55)が自慢の韓国風メニューで腕を振るっており、客の評判も上々という。

 「やまちゃん」の山田さんは「商店街で団結して若者を呼び込み、町に明かりをともしたい」と語った。

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