絶滅危惧種のチョウを守ろう 南波多郷学館、繁殖に必要な植物移植

シバハギの苗を植える南波多郷学館の児童=伊万里市南波多町の大野岳

 伊万里市南波多町の南波多郷学館の児童たちが、地元に生息する希少種のチョウ「タイワンツバメシジミ」の保護活動に取り組んでいる。繁殖に必要な植物シバハギの苗を育て、19日に大野岳(標高424メートル)の山頂部に移植した。

 タイワンツバメシジミは羽を広げた長さが3センチほどのかれんなチョウ。かつて九州や南西諸島などに広く生息したが、産卵場所や幼虫の餌になるシバハギの生育地が少なくなった影響で、確認できるのはごく一部の地域だけになった。環境省の絶滅危惧種に指定されている。

 大野岳の山頂部は数少ない繁殖地で、住民らが2014年から始めた保護活動に同校も協力している。19日は6年生12人が保存会のメンバーと一緒に、4月に種をまいて育てたシバハギの苗180株を200平方メートルの草地に植えた。

 保存会によると、シバハギは8月下旬から花を咲かせ、タイワンツバメシジミが飛び交うのを見ることができる。同校は9月上旬に観察会を予定しており、前田寅次郎君は「実際に飛んでいるところを見てみたい」と楽しみにしている。(青木宏文)

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