夢かなえて初の全国大会へ 広島国際学院高 サッカー部

高校サッカーの話題です。ことし、広島県大会で初優勝し、初めてのインターハイに挑む広島国際学院。その強さの秘密に迫ります。

6月に行われた県総体決勝で広島国際学院が大会2連覇中の瀬戸内高校を下し、悲願の優勝―。全国大会初出場の夢をかなえました。

広島国際学院 3年 茂田颯平 主将
「自分自身、初めての全国なので、とてもうれしい。(決勝での)チームの雰囲気はよかった。自分自身もこれなら勝てると思った」

広島国際学院 3年 長谷川蒼矢 選手
「この大会はみんなで優勝目指してやってきた。練習でも高い強度でやってきて、チーム124名全員で勝ち取った優勝だと思います」

今は部員が100人を超え、今回、県大会も制し、名実ともに強豪校となった国際学院ですが、ここまで長年の苦労がありました。その苦労を知るのが、去年までチームを率いていた 瀬越徹 総監督。

瀬越さんが監督に就任した1989年当時のサッカー部は部員が8人、ユニフォームやボールもなく、試合に出るのも難しい状況でした。

広島国際学院 瀬越徹 総監督
「チームを強くしていくことは就任当初から思っていた。生徒自体がそのレベルではなかった。難しかったが、他県との交流を深めながら、県外の強豪校と試合をさせてもらい、人の輪を大きくしていきながら戦った。広島県内に尊敬できる先輩方に食いついて、どうにかして強くしていこうと思った」

そんな中、転換点となったのが、2019年に完成した人工芝グラウンド。練習環境の整備が選手の技術向上につながり、県内の有力選手も集まるようになりました。

また、チームづくりの過程で大事にしたのはコミュニケーション。ふだんから意見を言い合う環境が、その強さにつながっています。

広島国際学院 谷崎元樹 監督
「ことしのチームはしっかり考えて行動できるチーム。試合でうまくいかないことを共有して修正していくところが長けている。ボールを持てるし、縦に速い攻撃もできる。戦術のバリエーションに富んでいる。相手に合わせるわけではないが、選手間で修正ができるチーム」

茂田颯平 主将
「チームの仲がいい。声をかけあえる。雰囲気が悪い中でも改善できるのが強み」

ことしの国際学院、攻撃陣の中心を担うのが50m5秒台を誇る俊足ストライカー・野見明輝 。彼もこの環境で成長した選手の1人です。

広島国際学院 3年 野見明輝 選手
「上下関係がなかったから伸び伸びと1学年上の先輩の中でもプレーできた。成長できた理由の1つ。先輩たちと仲がいい。遠慮して意見が言えないことがなかった。やりたいことがやれる環境」

風通しのいい環境で成長を続ける国際学院。そのチームで監督がキーマンとして挙げた選手の1人がDFの 岡田康誠 。

谷崎元樹 監督
「非常にかしこい選手。みんながバタバタしているときでも冷静に周りを見ている。コーチングがうまい。的確な指示を端的に伝える」

広島国際学院 3年 岡田康誠 選手
「慣れない舞台でみんな緊張するかもしれない。途中から自分たちの空気にしてから、しっかり全国でも1位を取れるようにがんばりたい」

インターハイ初戦は今月29日。コミュニケーションから生まれる対応力を武器に全国へ挑戦します。

広島国際学院 3年 野見明輝 選手
「強豪校を倒していきたい。自分がゴールを決めて、できる仕事をやっていきたい」

広島国際学院 3年 茂田颯平 主将
「DFが失点しなければ負けることはない。無失点で守りきれるようにがんばりたい」

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