神戸の「トーホーストア」、岐阜のスーパー大手「バロー」へ譲渡検討 事業の「一部または全部」

バローホールディングスへの譲渡検討が始まった「トーホーストア」の店舗=神戸市長田区長楽町4)

 業務用食品卸のトーホー(神戸市東灘区)は26日、子会社が運営する食品スーパー「トーホーストア」について、岐阜県のスーパー大手「バローホールディングス(HD)」に事業譲渡する検討を始めたと発表した。事業の「一部または全部」とし、今後、店舗数や人員など譲渡範囲を協議する。

 トーホーストアは兵庫県内に34店舗ある。トーホーは昨年11月、スーパーのコノミヤ(大阪市)に事業譲渡する方向で基本合意したが、条件面で折り合わず、今年6月に交渉を断念。新たな譲渡先を探していた。

 バローHDとトーホーストアは2015年に資本業務提携し、バローのプライベートブランド商品をトーホーストアで扱うなど、以前からつながりがあった。しかし、トーホーとコノミヤの協議が始まったのに伴い、今年3月に提携を解消していた。

 コノミヤとの破談を受け、同HDがストア事業の譲り受けについて協議の意向を表明した。

 同HDは東証プライム上場で、中部地方を中心に「バロー」をはじめとする複数の食品スーパーや、ドラッグストア、スポーツクラブ「アクトス」など、計1300店舗超を展開している。23年3月期の連結売上高は約7600億円で、スーパー事業の「関西強化」を掲げる。(広岡磨璃)

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