選挙事務所を構えなかった多宮健二氏(53)は1人で開票所を訪れ、票の推移を見守った。自らの落選が確実になると「無謀な挑戦だったが、やるだけのことはやった」と淡々と語った。
三田市議を2期5年務め、3選を狙った2020年の市議選に、まだ国政政党ではなかった「参政党」から立候補して落選。「政治はもうやらない」と考え、ごみ収集の会社に就職したが、収集車で市内を巡るうち「活気がない」と感じ、市長選への挑戦を決めた。
森市政の8年間を「コストカットばかりで将来ビジョンがない」と批判し、子育て支援を充実させ、三田の魅力を高めると訴えた。
「公費負担は求めない」と選挙カーは使わず、ポスターも自作。ポスター張りは知人に手伝ってもらったが、あとは自分だけで駆け抜けた。「たった一人、マイク一本の勝負」は最下位に終わった。(山岸洋介)