<レスリング>【7・27~30インターハイ・展望】山口叶太(東京・自由ヶ丘学園)が男子史上5人目の3連覇に挑戦…個人戦・男子

 

 2023年インターハイ・レスリング競技は7月27日(木)~30日(日)に北海道・札幌市真駒内セキスイハイムアイスアリーナで行われる。

 大会の後半に行われる個人戦・男子の見どころを探った。《大会要項》


個人戦・男子スケジュール

7月29日(土)10:00~ 1回戦~3回戦
   30日(日)10:00~ 準々決勝~決勝


個人戦・男子/展望

個人戦・男子 51kg 55kg 60kg 65kg

71kg 80kg 92kg 125kg

 【51kg級】

 3月の全国高校選抜大会優勝の赤木烈王(兵庫・猪名川)が6月のU17アジア選手権(キルギス)で優勝。国際舞台で通じる実力をつけている。4月のJOCジュニアオリンピックでは、昨年のインターハイで同じ3位だった小川大和(長崎・島原)が赤木を倒して優勝。両者は同じブロックで、順当に勝ち上がれば準決勝で対戦する。

  昨年の中学二冠王者の(全国中学生選手権、全国中学選抜選手権)の本多正虎(静岡・飛龍)が、どこまで上位に食い込むか。順当に勝ち上がれば準々決勝で小川と闘う。

 反対ブロックからは、全国高校選抜大会3位の石山竜成(宮崎・都城西)や近畿大会優勝の由井廉太郎(京都・京都八幡)が上がってくるか。ダークホースは、激戦の東京予選を勝ち上がった廣橋悠貴(東京・文化学園大杉並)。関東王者に輝く選手(坂本広=東京・自由ヶ丘学園)を破っての出場だ。

▲U17アジア王者の実力を見せるか、赤木烈王(兵庫・猪名川)=全国高校選抜大会(撮影・矢吹建夫)


 【55kg級】

 全国高校選抜大会優勝の大脊戸逞斗(埼玉・花咲徳栄)と同2位の高橋柊生(山梨・韮崎工)の再度の対決と思われたが、高橋がU17世界選手権(トルコ)出場のため不出場。大脊戸の春夏連覇の可能性は広がった。

 反対ブロックでは、全国高校選抜大会51kg級3位の森下大輔(和歌山・和歌山北)が階級を上げて出場する。昨年のグレコローマン二冠王者(全国高校生グレコローマン選手権、国体)。階級アップをこなして決勝へ上がってくるか。


 【60kg級】

 昨年55kg級優勝で、階級を上げて今年3月の全国高校選抜大会優勝の坂本輪(東京・自由ヶ丘学園)は、6月の明治杯全日本選抜選手権で大学生を連破して優勝。シニア・トップレベルの実力を持ち、インターハイ2階級制覇へ挑む。8月中旬のU20世界選手権(ヨルダン)出場も決まっており、弾みをつけられるか。

 全国高校選抜大会決勝で坂本に1-2で敗れた永井陸斗(埼玉・花咲徳栄)がリベンジ戦に挑む。初戦の2回戦で昨年のJOCジュニアオリンピックカップ・グレコローマン51kg級優勝の中村真翔(山梨・韮崎工)と対戦することになるか。

▲全日本選抜王者に輝いた坂本輪(東京・自由ヶ丘学園高)=同


 【65kg級】

 昨年3位で、今年の全国高校選抜大会優勝の内田怜児(埼玉・埼玉栄)が今年は栄冠をつかむか。全国高校選抜大会2位の鈴木飛来(山梨・韮崎工)、3位の小野高虎(岡山・高松農)鶴大和(宮崎・都城西)の4選手がそろった。だれが飛び抜けるか。


 【71kg級】

 全国高校選抜大会2連覇の山口叶太(東京・自由ヶ丘学園)が3連覇を目指す。6月の明治杯全日本選抜選手権70kg級で大学選手の中で3位に入賞し、シニアでも通じる実力をつけている。コロナ禍で空白があったが、男子の3連覇は2016年の乙黒拓斗(東京・帝京/JOCエリートアカデミー=現自衛隊)までに4選手が達成している。

 全国高校選抜大会決勝で敗れた荻野大河(埼玉・埼玉栄)のリベンジなるか。JOCジュニアオリンピック71lg級優勝の神谷樹生(三重・いなべ総合学園)の殊勲なるか。

▲男子史上5人目の3連覇を目指す山口叶太(東京・自由ヶ丘学園)=同


 【80kg級】

 U17世界選手権(トルコ)出場などで、全国高校選抜大会1・2位は不出場。同3位の淺野稜悟(静岡・飛龍)がJOCジュニアオリンピックではU20-79kg級優勝と実力をつけている。同じブロックに同U17-80kg級優勝の岡澤ナツラ(神奈川・慶応義塾)がいて、お互いに勝ち上がれば準々決勝で対戦。勝者が決勝進出か。

 反対ブロックは、全国高校選抜王者が不在となり、多くの選手に決勝進出の可能性が広がったと言える。


 【92kg級】

 甫木元起(佐賀・鳥栖工)が全国高校選抜大会に続いて2年連続優勝を目指す。JOCジュニアオリンピックでも危なげなく勝ち上がり、安定感は抜群。

 全国高校選抜大会3位の赤坂和哉(石川・志賀)武重毅留(山口・精華学園)が、どこまで粘れるか。

▲無敵の快進撃を続ける甫木元起(佐賀・鳥栖工)=同


 【125kg級】

 全国高校選抜大会優勝の藤田宝星(埼玉・花咲徳栄)が、JOCジュニアオリンピックU17-110kg級でも優勝して実力をアピール。全国高校選抜大会2位の福島煌天(栃木・足利大附高)、同3位の織山昭成(秋田・秋田商)中沢遥貴(山梨・甲府城西)が、その牙城を崩せるか。

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