北野恒富の日本画、切手に 金沢生まれ、2日発行

北野恒富「星」の切手

 日本郵便が、魅力ある名作絵画などの美術品を題材に来月発行する特殊切手「美術の世界シリーズ」の第5集「白の世界」に、金沢生まれの日本画家・北野恒富(つねとみ=1880~1947)の「星」が採用される。明治から昭和にかけて活躍した郷土の作家に光が当たる。

 北野は10代で大阪に出て木版彫師のもとで版下画を描き、のちに金沢出身の歌川派稲野年恒に師事。美人画に定評があり、大阪の院展の中心的人物となった。

 「星」(大阪市立美術館蔵)は1939年に描かれ、都市に生きるモダンな女性の美しさを追求した作品。夏の夜空の深い青を背景に、女性の肌の白さや浴衣の白さが幻想的に浮かび上がっている。

  ●長谷川久蔵「桜図」や国立工芸館所蔵品も

 このほか、七尾出身の絵師長谷川等伯の子・長谷川久蔵の「桜図」や、国立工芸館が所蔵する初代宮川香山の陶磁器「鳩桜花(きゅうおうか)図高浮彫花瓶」など国内外の10点が選ばれた。

 切手はシール式で63円、84円の2種。8月2日から全国の郵便局、ネットショップなどで取り扱う。

8月2日発行の特殊切手「美術の世界シリーズ第5集」

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