笑顔つくる理念紹介 富大でサクラパックス橋本社長 富山新聞文化センター寄附講座

講演する橋本社長=富大五福キャンパス

 富山新聞文化センター寄付講座「地域企業の経営者から学ぶ」は26日、富大五福キャンパスで開かれた。講師を務めた段ボール製造販売のサクラパックス(富山市)の橋本淳社長は、製品やサービスを通して顧客を笑顔にし、より良い社会を目指すという経営理念を紹介し、理念を設けて形にする大切さを語った。

 橋本社長は15年前の社長就任時、会社には社員をまとめる軸となる理念がなかったと振り返った。その後、東日本大震災の復興活動に取り組む中で「世の中を笑顔にしたい」と強く感じ、社員と話し合って「ハートのリレーで笑顔を創り、世界の和をつなぐ」との経営理念を定めたと語った。

 「理念の完成はスタートでしかない」とし、社員全員に浸透させ、社会をより良くすることが大事と強調。災害避難所などで役立つ抗ウイルスの段ボールを使用したベッドやパーティションを開発、コロナ下の子どもたちに楽しんでもらえるよう段ボールでできるおもちゃの作り方をホームページに公開するなど、世の中を笑顔にするための取り組みを紹介した。

 講座は経済学部と人文学部の同時開講で、富山新聞文化センター富山教室で2015年に開講した「富山マネジメントアカデミー」が母体となっている。次回は8月2日、朝日不動産の石橋正好社長が講師を務める。

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