ドローンで屋根損傷調査 珠洲、地震被災の高齢者を手助け

ドローンで屋根の調査をする浦さん=珠洲市三崎町細屋

  ●地元の浦さんボランティア

 珠洲市を襲った最大震度6強の地震を受け、市内の会社が22日までに、ドローン(小型無人機)を使って住民の屋根を無料で調査する取り組みを始めた。被災者は高齢者が多く、自宅屋根に損傷がないかを自ら確認できない人がほとんどであることから、手助けしようと始めた。調査した家屋では瓦のずれなどが見つかっており、ドローン技術で各家庭の修復を後押しする。

 取り組みを始めるのは「ドローン・パートナーズ」で、珠洲市出身の両親を持つ浦達也さん(50)が代表を務める。京都出身だが、21歳の時に同市仁江町へ移住し、2020年1月からドローンで映像撮影などを行う会社を営んでいる。

 地震では浦さんの三崎町細屋にある実家も家具が倒れたり、壁にひびが入ったりするなどの被害があった。その後、ドローンを使って屋根を調べると、瓦がずれており、見えない場所に被害があることを実感したという。

 近隣住民や知人からも「屋根に上れず調べられない」「壊れたままでは再び地震が起きた時に崩れるかもしれない」と不安の声を聞いた。「得意分野を生かして住民を助けたい」。浦さんはドローンを使った調査を引き受けることにした。

 作業は1回につき、5~10分ほどの飛行時間で行われる。調査結果は、メールでデータを送るほか、A4サイズの紙にプリントアウトして渡す。これまで5軒以上で調査を終えた。三崎町細屋の畠田和美さん(39)は「瓦が浮いていることが確認できた。下から見ているだけでは分からなかった」と話した。

 浦さんは今後、裏山や池の調査も進めたい考え。「地震で被害を受けた人たちは多いので、少しでもサポートをしていきたい」と話した。

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