ニジェールでクーデター 大統領を追放、情勢混迷

26日、ニジェールの国営テレビを通じ、クーデターの企てについて主張する軍幹部らの映像(ORTN提供、ロイター=共同)

 【ナイロビ共同】西アフリカ・ニジェールで26日、軍将校らがバズム大統領を追放したと国営テレビを通じて主張し、国境封鎖と全土への外出禁止令を宣言した。ロイター通信が報じた。米国やアフリカ連合(AU)はクーデターを非難した。

 隣国マリとブルキナファソでは近年、クーデターで発足した軍事政権がロシアに接近している。バズム氏は旧宗主国フランスや米国と関係が良好で、イスラム過激派のテロが頻発する地域一帯の対テロ作戦に重要な役割を果たしてきた。今後、地域情勢がさらに混迷する恐れがある。

 大統領警護隊が26日、首都ニアメーの大統領公邸を封鎖した。軍将校らは「治安の悪化」や「劣悪な統治」が理由だと主張する声明を国営テレビで読み上げた。クーデターに反対する市民数百人が公邸周辺で抗議活動を展開。公邸からは発砲があったもようだ。

 ブリンケン米国務長官は「力による権力奪取の試み」だと非難。国務省はバズム氏の即時解放や法の尊重、治安の安定を要求した。AUのファキ委員長も警護隊の即時撤収を訴えた。

26日、ニジェールの首都ニアメーで、バズム大統領への支持を訴える人たち(AP=共同)

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