20日からニュージーランドとオーストラリアで行われているFIFA女子ワールドカップ2023。
この大会では注目すべきシステムが導入されている。それはVAR(ビデオ・アシスタント・レフェリー)による判定の結果を主審が会場でアナウンスするというものだ。
開幕戦のニュージーランド対ノルウェーでは日本人レフェリーの山下良美主審が担当し、VARレビューでハンドによるPKが与えられたことを英語でアナウンスしていた。
これは男子のクラブワールドカップとU-20ワールドカップでも試行されていたが、シニアの国際試合では初めてのシステムとなる。
全体的にはこのテストは順調に進んでおり、イアン・ライトなどの解説者も比較的好意的な反応を示している。
しかし先日行われたスペイン対ザンビアの試合では、あわやVAR判定の誤発表が行われるところだった。
70分にジェニフェル・エルモソがゴールを決めた時、副審がオフサイドを示すフラッグを掲げた。
そしてこの場面をVARが長くチェックした後、韓国人のオ・ヒョンジョン主審がオンフィールドレビューを行い、そしてその判定の結果を会場にアナウンスしたのだが…。
オ・ヒョンジョン
「レビューの結果をお知らせします…ノーゴール、ノーオフサイド。
ノー、ノー、ノー!ノーオフサイド!最終的な判断はゴール!」
オフサイドはない…という結果だったが、なんと最初にノーゴールと逆のことを言ってしまったのだ。もちろん会場は大きくざわついたが、すぐに訂正されたためになんとか大きな問題にならずに済んだようである。
なお、オ・ヒョンジョン主審はもちろん2018年から多くの国際試合で主審や第4審を務めてきた経験を持ち、大会前にはAFCで英語のインタビューも受けていた。
そのような女性でありながらも信じられないほどのイージーな言い間違いをしてしまう。ワールドカップの舞台で伸し掛かるプレッシャーの大きさを感じさせるものだった。