瞬間冷却、乾燥で花の美しさ長持ち 酒田の生花店が開発、新ブランド

生花を瞬間冷却し、乾燥させた「ゼロフラワー」を手がけている「Lotus Garden」の畠山秀樹代表=酒田市

 酒田市の生花店「Lotus Garden(ロータス・ガーデン)」(畠山秀樹代表)が、生花を瞬間冷却し乾燥させた商品「ゼロフラワー」を自社開発し、新ブランド「Next Level FLOWERS Japan(ネクスト・レベル・フラワーズ・ジャパン)」を立ち上げ、販売を始めた。色合いが生花に近く、長い間飾っておける。同種技術を使った独自商品は全国でも珍しいといい、新たな花の可能性を切り開く狙い。

 同市で育った畠山代表は東京都内の生花店勤務を経て2003年に同店を開店。旬の花を瞬間冷却し加工するベルギー発祥の「アイスフラワー」を15年ほど前から輸入している。ドライフラワーよりも色鮮やかで、染料を加えるプリザーブドフラワーより生花に近い色合いを保つことができる。

 畠山代表は「一瞬の美しさに告白や祝福の気持ちを乗せるのが花の役割だと思っていたが、生に限りなく近い姿をとどめておけることに魅了された」と話す。国産や県産も加工できないかと考えた。5年ほど前に真空冷却機械を購入し、品種によって冷却時間を変えるなど試作を重ねてきた。

 生花のような見た目を保ち、半年ほど飾って楽しめる。水分をできる限り減らして軽く、飾るだけにとどまらない可能性を秘めているとして「ゼロフラワー」と名付けた。現在はバラやケイトウ、カーネーションなどを加工し、ボックスギフトや壁掛けボックスなどの各商品を製作し、今月にネット販売を始めた。

 来月16~30日には、阪神梅田本店(大阪市)のイベント「ガラスとお花のある暮らし」に出展し、初めて店頭販売を行う。同月にはロータスガーデン内で、ギフトと1本からのばら売りを始める予定。ボックスギフトは縦横16センチ、高さ11.5センチで1万円から。ばら売りは1500円から。畠山代表は「アートや料理などさまざまな分野での活用も考えられる。海外での販売も目指したい」と話していた。

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