佐野藍復活プロジェクト 原料収穫に有志が協力 12人が汗

下彦間町で行われた藍草の刈り取り作業

 【佐野】市内で生産されている藍染めの原料「藍草」の刈り取り作業が26日、下彦間町の藍師小竹利美(こたけとしみ)さん(72)方の畑で行われた。産業別労働組合「UAゼンセン」県支部の組合員などがボランティアとして作業に参加し、汗を流した。

 市内では江戸時代から藍産業が盛んだったが、明治後期の化学藍導入により一度生産が途絶えた。しかし、2012年に市民有志で立ち上げた「佐野藍復活プロジェクト」が始動し、藍草生産が約100年ぶりに復活。現在は、小竹さんを含む市内数軒の藍農家が栽培に取り組んでおり、収穫した葉を発酵させた藍の原料「すくも」は全国に出荷されている。

 ボランティアによる刈り取り作業は、17年から毎年2回実施している。この日は12人が参加し、小竹さんの指導を受けながら、手作業で藍草を収穫。約8キロの藍草を刈り取り、天日干しする作業までを行った。

 小竹さんは「ボランティアの協力には、毎年とても助けられている。より多くの人に『佐野藍』を知ってもらえるきっかけになれば」と目を細めた。

 2回目の収穫作業は、9月上旬ごろに行う予定だ。

収穫した藍染めの原料「藍草」

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