男女の体感温度の違いから生まれやすい「エアコン温度設定問題」を解決するには?

暑い季節になると、昼も夜もエアコンをつけっぱなし……という人は多いと思います。そこで起こりがちなのが、男女の体感温度の違いによるいざこざ。とくに、寝るときのエアコンの温度設定で揉める夫婦が多いようです。

この温度問題を解決するための「体感温度」をコントロールする方法についてご紹介します。

熱帯夜の快眠を叶えるエアコン温度設定のポイント

暑くて寝苦しい夜。質のよい睡眠をとるために、最適な室温をご存じですか? 快眠のためのエアコン温度設定について解説します。

1. 睡眠の質を左右する室温と湿度の関係

良質な睡眠のためには、一般的に「室温26度」が快適な部屋の状態といわれています。

それに加えて大切なのが、湿度です。快適なのは「湿度50~60%」。室温が同じでも、湿度がそれ以上に高ければ汗が乾くのに時間がかかり、体温が下がりにくいため、深い睡眠の妨げになります。

温度だけでなく、湿度の調節も大事なのです。

2. 子育てママにおすすめの理想的な温度設定とは?

小さな子どもがいると、エアコンをつけていても寝ている間にタオルケットを蹴飛ばしてしまったり、気づいたらおなかを出して寝ていたりと、からだが冷えないか心配になりますよね。そんなママにおすすめの温度設定は、「寝る前26度、寝るとき28度」です。

まず、就寝の1時間前くらいにエアコンを26度で運転させ、部屋の温度を下げます。そして寝ている間はからだが冷え過ぎないよう、28度に設定します。風向きを一番上方向にしておけば、直接からだに風が当たることなく、冷え過ぎの心配もありません。

体感温度コントロール法で快適な眠りを手に入れよう

人によって違う「体感温度」。これをうまくコントロールすることにより、同じ寝室で家族全員が快適に眠れるかもしれません。

1. 睡眠に影響を与える体感温度とは?

体感温度とは、人が肌で感じる温度のことで、「気温」「湿度」「熱放射」「風(気流)」「代謝量」「着衣量」などさまざまな要素で決まります。

体感温度は人によって異なり、基本的に男性は暑がりで女性は寒がりです。男性は筋肉量が多く、基礎代謝が高いためです。また、女性の方が肌への直接的な温熱環境の影響を受けやすいとの研究結果もあります(※)。

以上のことから、夫婦が同じ部屋で快適に眠るためには、体感温度をコントロールすることが必要なのです。

※安岡 絢子, 久保 博子, 都築 和代, 磯田 憲生, 夏期冷房環境下における着衣と温冷感評価の男女差に関する研究, 一般社団法人日本家政学会66回大会(2014年)

2. 快眠のための体感温度コントロールテクニック

体感温度を左右する要素のひとつである代謝量。代謝量を上げるためにおすすめなのが、「入浴」です。

入浴にはもともとからだの基礎代謝を高める作用があり、とくに半身浴は継続することで代謝量が増加しやすくなります。血管が広がり、血流がスムーズになることで、代謝量が増加し、安静時のエネルギー消費量が大きくなるのです。

代謝量が上がることにより、男性の体感温度との差がなくなってきますので、エアコンの温度設定で揉めることもなくなるかもしれません。

入浴にはこの他にもリラックス効果や疲労回復効果、むくみ改善など、さまざまなメリットがあります。夏こそお風呂にゆっくり浸かって、体感温度をコントロールしていきましょう。

快適な眠りのためには漢方薬もおすすめ

入浴する時間がないという人は、漢方薬もおすすめです。漢方薬のなかには、からだを温めたり、代謝を高めたりするだけでなく、不眠の症状に対して効果があるものもあります。

快適な眠りを得るためには、

・血流をよくして、中枢神経の機能を回復し安眠に導く
・いらだちや興奮を鎮めて寝つきをよくする
・自律神経の乱れを整える

などの働きがある生薬を含む漢方薬を選びます。

漢方薬は、西洋薬のような対症療法ではなく根本からの体質改善が目指せるので、不眠になりにくいからだ作りにも役立ちます。

冷える人におすすめの漢方薬

真武湯(しんぶとう)

からだを温め、水分循環をよくして新陳代謝を高め、冷えや胃腸症状を改善します。

眠れない人におすすめの漢方薬

柴胡加竜骨牡蛎湯(さいこかりゅうこつぼれいとう)

血液循環やエネルギーを活性化し、自律神経を安定させ、心を落ち着かせることで不眠を改善します。

熱帯夜でも、質の高い睡眠をとることで、一日をよりエネルギッシュに過ごせるでしょう。

漢方薬を選ぶときに重要なのは、その人の状態や体質に合っているか、ということです。
合っていないと、効果を感じられないだけでなく、場合によっては副作用があらわれることもあります。

「あんしん漢方」などのオンライン漢方サービスでは、漢方に詳しい薬剤師がAIを活用し、一人ひとりに効く漢方薬を見極めて、お手頃価格で自宅に郵送してくれます。スマホで完結するので、忙しい人でも気軽に相談できるのが特徴です。

夏になるとありがちな、エアコンの温度設定をめぐる家族のいざこざ。喧嘩になる前に、まずはお互いの体感温度の違いについて話し合ってみましょう。

そして、寝室環境を整えたり、お風呂にゆっくり浸かったり、漢方を飲んだりなど、自分に合った体感温度コントロール法をぜひ試してみてください。

<この記事を書いた人>

あんしん漢方薬剤師
山形 ゆかり

薬剤師・薬膳アドバイザー・フードコーディネーター。病院薬剤師として在勤中、食養生の大切さに気付き薬膳の道へ入り、牛角・吉野家他薬膳レストラン等15社以上のメニュー開発にも携わる。

「健康は食から」をモットーに健康・美容情報を発信するMedical Health -メディヘル-youtubeチャンネルで簡単薬膳レシピ動画を公開するなど精力的に活動している。

症状・体質に合ったパーソナルな漢方をスマホ一つで相談、症状緩和と根本改善を目指すオンラインAI漢方「あんしん漢方」でも薬剤師としてサポートを行う。

(ハピママ*/ あんしん漢方)

© ぴあ朝日ネクストスコープ株式会社