近藤真彦ライブリポ①盟友・野村義男が渡した誕生日プレゼントに思わず仰天

歌手・近藤真彦が59歳の誕生日を迎えた7月19日に、かつしかシンフォニーヒルズ モーツァルトホール(東京都・葛飾区)で『Masahiko Kondo Birthday Live2023【RAIN or SHINE】-どんなことがあっても…-』を開催した。この日から3日間同会場で行われるバースデーコンサートのチケットは、即完売。entax取材班は、ライブの初日の模様を独自にリポートし、2回に分けてお届けする。

■59歳の誕生日にコンサートができるとは夢にも思わなかった

オープニングではステージに降りていた幕に、ライブのキービジュアルでもある本人のシルエットと傘のイラストがレーザーの照明によって描かれ、最後にタイトルが映し出される。幕が上がると、バンドとストリングス、コーラスのメンバーがステージを埋めていて、それだけでも迫力満点。中央に設置された階段の最後尾が上がっていき、夏らしいブルーのさわやかなスーツを着た近藤真彦が登場した。

最初に夏の明るさと切なさが混ざった楽曲『SUMMER IN TEARS』(1985年リリース、7thアルバム『SUMMER IN TEARS』収録)を、続いて未来へ向かう少年へのメッセージソング『夏の日の少年』(アルバム『SUMMER IN TEARS』収録)を、大人の魅力たっぷりに哀愁を込めて歌い上げた。

キーボードが誘導するように『Happy Birthday to You』の前奏を弾くと、会場に集まったファンから合唱が起き、「おめでとう!」の声がかかる。

それを受けて近藤は「ヤバイから。(還暦まで)あと1年だから」と言いながら、「おかげさまで59歳になりました。しかも、59歳の誕生日をこうして皆さんの前でコンサートができるとは、デビューした時から考えると、夢にも思っていませんでした。どこかで絶対に、やめると思っていました。でも本当に43年、こうして歌ってこれまして、今日皆さんの前でコンサートができることを感謝します。ありがとうございます」と、笑顔で率直な想いをファンに伝えた。

■近藤真彦の誕生日プレゼントは一番悩む

バースデーライブをより盛り上げてくれたのは、盟友のギタリスト野村義男。ライブの後半で演奏された『少年のこころ』(1991年リリース、37thシングル)の間奏の演奏時にステージに登場し、重厚感のあるギターで、さらに曲を華やかに彩る。

野村は「誕生日おめでとうございます。また、ぼくより年上になりましたね」と同級生ながらも10月生まれということで、数か月の差があることに触れつつ「誕生日だから、僕、プレゼント用意しています」と宣言。「近藤真彦に誕生日のプレゼントを渡すって、一番悩むんですよ。なんでも持っているでしょ? あと、なんでも買えるでしょ? でも、絶対持っていないものを見つけたんですよ」と告げる。

「昨日一日中、僕はあなたのために、一万歩以上歩いて、プレゼントを探しました。それで、洋服屋さんに入ったり、帽子屋さんに入ったり、いろいろ見たんだけれど、ダメ。全部ダメ。近藤真彦に、全部合わない。もうやめた。プレゼント買うのやーめた。自分のものを買って帰ろう、と思った時に、おもしろいものがあったんです」

「それがプレゼント?」と近藤が尋ねる。「そうですよ。写真撮ってきました、こちら!」とスクリーンに映し出されたのは、懐かしのブロマイドが並んでいるお店のディスプレイ。「しかも、一番真ん中に並んでいるのが、こちら」と寄りで撮影された写真には、10代の近藤と野村のブロマイドが映っていた。アイドル全開の2人の若き日の姿に、思わず客席から「かわいい~」と声が上がる。

「買ってきたんですか?」とあっけにとられて近藤が問いかけると、「買いましたよ、ちゃんと。でも買う時、ちょっと恥ずかしかった。お店の人が、『え? え? えー!?』って」と野村はその時の様子を再現。それなのに「ヨッちゃんのは、いらないよ」とつれない近藤。野村は「せっかく2つ並んでいたから、両方買ったんじゃん」と言いながら「ごめんごめん、サインしていなかったのが、不満なのね」と見事な切り返しで、オーディエンスも爆笑していた。

「こんなの売っているの、今?」と改めて近藤がめずらしそうに問いかけると「ちっちゃいよね。昔はもっと大きかったからね」と野村は当時を振り返る。「見つけた時、『おお~!』って声、出たもん。しかも、なんで並んでいるんだろうって。思わず写真撮った」。ユーモアセンスにあふれたセレクトのプレゼントに、会場は大いに沸いた。

■「秋からのコンサートはすごいよ」と次の楽しみも提示

「さて、ここでお知らせがあります。ヨッちゃんちょっと、耳をふさいで、目を閉じてください」と注文する。「ヨッちゃんに知られるとやばいこと、発表します」とスクリーンに注目するように促すと、そこにはディナーショー『Masahiko Kondo Dinner Show 2023 12月、風のバラッド』(2023年12月11日~12月12日ホテルオークラ東京、2023年12月26日~27日ホテルニューオータニ大阪)の告知が書かれていた。「東京と大阪でディナーショーをやります」といううれしい発表に、客席から喜びの声が上がる。

「それでは、ヨッちゃんにすごく勉強してきていただいた曲、ここから何曲かお届けします」と言って、ドラマティックな『愛はひとつ』(1997年リリース、41thシングル)や、ギターやベースがゴリゴリと迫ってくるような『泣いてみりゃいいじゃん』(1987年リリース、24thシングル)などを披露した。

セットリストにはいろいろな年代の曲が入っていたが、どのナンバーも主人公の心の揺れといった細かな心情が表れている。そういったところからも、楽曲の世界観を丸ごと受け止め、全力で表現している近藤真彦のすごみを感じた。

そして本編で22曲、アンコールでは大ヒットナンバー『真夏の1秒』(1983年リリース、10thシングル)や『ギンギラギンにさりげなく』(1981年リリース、4thシングル)など3曲を演奏し、バースデーライブ初日は幕を閉じた。

【近藤真彦Profile】

1964年生まれ。神奈川県出身。1979年TBSのテレビドラマ『3年B組金八先生』の生徒・星野清役でデビュー。1980年『スニーカーぶる~す』でソロ歌手としてデビュー。1987年には『愚か者』で第29回日本レコード大賞を受賞した。レーサーとしても活躍し、2000年からレーシングチームの監督兼代表取締役社長を務める。

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