ホンダ使いの10代がポール・トゥ・ウイン。ラファエル鈴木も復活の初勝利/TCRサウスアメリカ第5戦

 7月21~23日の週末にウルグアイのリベラに位置するアウトドローモ・エドゥアルド・プルデンシオ・カブレラにて争われたTCRサウスアメリカ・シリーズ第5戦は、今季すでに3勝を挙げて選手権首位を行く、18歳のイグナシオ・モンテネグロ(スクアドラ・マルティーノ/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が連続ポールポジションを獲得すると、レース1で“ライト・トゥ・フラッグ”を決める完勝劇。続くレース2は、オイル漏れで最初のヒートを失っていたラファエル鈴木(PMOモータースポーツ/リンク&コーCo 03 TCR)が、復活のシリーズ初優勝を飾っている。

 コドライバー登録のペアを迎え、2戦連続開催となった1時間フォーマットから一転。ふたたび通常の2ヒート制に回帰したカブレラでの週末は、同イベントより心機一転の新体制で挑んだディフェンディングチャンピオン、ファブリツィオ・ペッツィーニ(パラディーニ・レーシング/アウディRS3 LMS)が14番手、トヨタ・チーム・アルゼンティーナ(TTA)のホセ-マニュエル・サパーグ(トヨタ・カローラGRS TCR)は17番手と、実力者らが早々にQ1敗退を喫する展開となる。

 そんな波乱のなか、Q2序盤のアタックで1分17秒台に突入した2台のうち、ペドロ・カルドサ(ヒョンデNチーム・スクーデリア・キアレッリ/ヒョンデ・エラントラN TCR)を抑えたダミアン・フィネンチ(PMOレーシング/プジョー308 TCR)が、セッション終盤まで暫定ポールの座を維持する。

 しかし終了間際にラストアタックへ向かったモンテネグロが、前戦ブラジルはインテルラゴスでの予選パフォーマンスに続き圧巻のドライブを披露し、わずか0.047秒差でプジョーを逆転。2戦連続の最前列グリッドを射止め、結果的に3つの異なるチームとマニュファクチャラーがグリッドの上位3台を占めることとなった。

18歳のイグナシオ・モンテネグロ(Squadra Martino/FK8型ホンダ・シビック・タイプR TCR)が、セーフティカーの時間帯も乗り切りレースを支配する
同じアルゼンチン出身者同士、そしてTC2000の先輩としても喰い下がったダミアン・フィネンチ(PMO Racing/プジョー308 TCR)だったが、惜しくも2位に
結果的に3つの異なるチームとマニュファクチャラーが表彰台をも占めることとなった

 これで日曜レース1での優位性を確保した23号車のFK8型シビックRは、リタイアを余儀なくされ2戦連続ノーポイントに終わっている鬱憤を晴らすべく、グリッドの最前列からレースをコントロール。予選10番手発進でレース2のリバースポールが確定しているラファエル鈴木のリンク&コーが、サーキットにオイルを投下したことで引き起こされたセーフティカー(SC)の時間帯も乗り切り、フィネンチ、カルドサを従えての今季4勝目を飾った。

 4位にはベルナルド・ラヴァー(トヨタ・チーム・アルゼンティーナ/トヨタ・カローラGRS TCR)、5位にラファエル・レイス(W2プロGP/CUPRA León Competición TCR)が続くトップ5となった。

 続いて行われたレース2では、僚友のフレデリック・バルディ(PMOモータースポーツ/リンク&コー03 TCR)と並んでフロントロウ発進を決めたラファエル鈴木が、エンジントラブルにより戦列を去った前ヒートの借りを返すべく力走を見せると、スタート直後に背後へ迫ってきたラヴァーのカローラを抑え込んでいく。

 中盤には他車の接触アクシデントでSCが導入され、そこまでに3秒弱ほど築いていたマージンが削られるピンチも迎えたが、選手権首位モンテネグロ同様に後続のラヴァーとバルディを封じ込め、自身のTCR初優勝を手にした。

 このレース2でも6位まで挽回し、ポールの10点も含めて週末大量71点を稼ぎ出したモンテネグロが、さらにチャンピオンシップのリードを拡大したTCRサウスアメリカは、同じくウルグアイはエル・ピナールで8月19~20日に開催される第6戦で、新生TCRワールドツアーの面々を迎え撃つ。

レース2で僚友のフレデリック・バルディと並んでフロントロウ発進を決めたラファエル鈴木(PMO Motorsport/Lynk&Co 03 TCR)
スタート直後に2番手へ浮上したベルナルド・ラヴァー(Toyota Team Argentina/トヨタ・カローラGRS TCR)も、首位浮上には至らず
SCBストックカー・ブラジル”Pro Series”のレギュラーでもある鈴木が、TCR初勝利を飾っている

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