住友電、富山に半導体材料工場 EV向け、27年から供給

 住友電気工業は27日、電気自動車(EV)向けの半導体材料を生産する新工場を富山県高岡市に建設すると明らかにした。省エネ性能に優れ、EVの航続距離を1割伸ばせるとされる次世代パワー半導体のウエハーを2027年から供給する予定。兵庫県伊丹市の既存工場にも新ラインを設け、総投資額は約300億円となる。

 ウエハー素材は、従来のパワー半導体が採用しているシリコン製ではなく、電力損失が少ない炭化ケイ素(SiC)製とする。住友電工は従来、SiCウエハーのサンプルを出荷していたが、需要の急拡大を受けて本格参入を決めた。

 富山と兵庫の両工場を合わせ、年間12万枚出荷できる生産体制を整える。

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