「観客席近い」と絶賛 ツエーゲン選手が金沢スタジアムを視察

金沢スタジアムを視察するツエーゲン金沢の選手=金沢市磯部町

  ●「声援届きやすい」

 サッカーJ2・ツエーゲン金沢の選手とスタッフ約45人が27日、金沢市磯部町で整備中の市民サッカー場「金沢スタジアム」を視察した。選手は最大の特徴である観客席とピッチとの距離の近さを絶賛。「サポーターの声援が届きやすい」と話し、市が約82億円を投じた新たな本拠地での躍動に期待を膨らませた。

 視察は備品の配置や施設の動線に選手、スタッフの意見を反映させるために行われた。選手がピッチに降り立つと、観客席には大きな「KANAZAWA」の文字が見え、ホームスタジアムの雰囲気を漂わせた。選手からは「立派でかっこいい」「鳥肌ものだ」との声が上がった。

 スタジアムはスタンド最前列からピッチまでの距離が7~9メートル。現在のホームスタジアムの県西部緑地公園陸上競技場は30~40メートル離れており、新スタジアムは「観客との近さ」が売りとなる。最前列からは選手同士のやりとりも見え、臨場感たっぷりにプレーを満喫できる。

 収容人数は約1万人(1万5千人規模に拡張可能)で、スタンドは屋根付きのため天候を心配せずに観戦できる。

 市は9月末の完成、来年2月のオープンを予定し、2024年シーズンからツエーゲンの本拠地となる。整備費は当初、79億8千万円を想定していたが、資材価格の高騰で上振れし、約82億円になる見通しだ。

 視察後、主将の白井裕人選手は「ピッチと観客席が近く、遠くからでもピッチを見渡すことができる」と感想を語った。ただ、チームはJ3自動降格圏内で「まずは今年、しっかり結果を出すことに集中する」と力を込めた。

 元日本代表の豊田陽平選手=小松市出身、星稜高OB=は「夢にも登場したことがないサッカー専用スタジアムが石川県にできる。『すごいな』というしかない」と感慨深げだった。

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