東西の近代名画競演 富士美術館展28日開幕

日本画展示室で「山水図」の陳列作業を行う関係者=石川県立美術館

 北國新聞創刊130年記念の「東京富士美術館所蔵 東西近代絵画名品展」(北國新聞社、石川県立美術館主催)は28日、金沢市の県立美術館で開幕する。世界の絵画表現が大きく花開いた19世紀後半から20世紀前半の名画59点の飾り付け作業が27日終わり、西洋と日本の近代絵画が至高の美を競う舞台が整った。

 東京富士美術館は「世界を語る美術館」をモットーとし、絵画の近代美術史を一望できるコレクションを有する。名品展では約3万点の収蔵品から、えりすぐりの秀作を公開する。

 洋画展示室では、ルノワールの「赤い服の女」、モネの「睡蓮(すいれん)」など印象派の巨匠の作品をはじめ、史上初めて個展を開いたとされるクールベの「水平線上のスコール」も並べられた。写実主義から印象派、野獣派(フォービズム)まで美術史の流れに沿った展観となる。

 日本画では、明治を代表する橋本雅邦(がほう)の「山水図」をはじめ、横山大観の「旭日」、下村観山の「雲来」など、近代日本画壇を牽引した大家の名品を陳列。関係者は照明の明るさや角度などを入念に調整し、会場を整えた。

 会期は28日~8月27日で、入場料は一般1300円、中高生900円、小学生700円となる。会場では音声ガイドの機材を1台600円で貸し出す。

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