尾上菊之助に不倫報道 亡き義父・吉右衛門さんへの重すぎる裏切り「天国でどれだけ悲しまれてるか」

歌舞伎界にまたも激震が走った。5代目・尾上菊之助(45)に不倫疑惑が報じられたのだ。この報道に、’21年に亡くなった義父で人間国宝の二代目中村吉右衛門さん(享年77)は何を思うのか――。

7月26日、「文春オンライン」で報じられた菊之助の不倫報道。記事によると、菊之助は7月21日の午前1時から朝8時半まで、妻とは異なる女性と高級ホテルに滞在。「週刊文春」の取材に対し、部屋に滞在していたことは認めるも、不倫関係にあることは否定したという。

父は人間国宝の七代目・尾上菊五郎(80)で母は女優の富司純子(77)、姉は女優の寺島しのぶ(50)という芸能一家に生まれ育った菊之助。’13年に吉右衛門さんの娘・瓔子さんと結婚した。

吉右衛門さんは二人の結婚について会見で「梨園に嫁がせようとか思ってなかった。一般の家庭でもらってくれるかなあ……って思っていたから」と語るなど、菊之助と瓔子さんの結婚は意外なものだったことを明かしている。

それまでは共演することがほとんどなかったという菊之助と吉右衛門さん。しかし結婚後は吉右衛門さんの「秀山祭九月大歌舞伎」に菊之助さんが出演するようになるなど、関係は次第に濃厚なものとなっていった。

’19年の秀山祭では『寺子屋』で、菊之助は義父・吉右衛門さん演じる松王丸の妻役を演じることに。同部隊では、5歳になった息子の丑之助も菅秀才として出演している。当時、菊之助は「毎年、岳父のそばに出させていただき、一つ一つご指導いただいて、財産をいただいている気持ち」と、義父と共演する喜びや学びの多さを語っていた。

吉右衛門さんにとっても、娘婿、そして孫との共演はこのうえない喜びだった。

《孫が出て、義理の倅と一緒にやるというのは、その芝居をする情のうえにおいてやりやすいことは確かですね。(略)伝統というものがあるからこそ、誰それの倅で何代目だとかっていう、そういう目を通して芝居をご覧くださる。それも伝統歌舞伎のひとつの面白さじゃないかなと思います》(『演劇界』’20年10月号)

「吉右衛門さんは、菊之助さんに『僕にわかることだったら、全部、教えるよ』と、共演を通してたくさんのことを教えてくれたそうです。菊之助さんが稽古をお願いすると丁寧につきあってくれて、台詞の言い回しなど、できるようになるまで何度も何度も聞いてくれるのだとか。

吉右衛門さんには跡取りとなる息子がいませんでした。熱心な指導には、娘婿の菊之助さんに、初代・吉右衛門の芸を受け継がせたいという思いもあったのではないでしょうか。菊之助さんも吉右衛門さんのことをとても尊敬していて、それは単なる娘婿と義父の関係を超えたものでした」(歌舞伎関係者)

‘21年11月に吉右衛門さんが亡くなった際には、菊之助は会見で同年3月のやりとりを振り返り「倒れる2日前だったのできっとつらかったと思う。ご自分のことより肘を折って手術した私のことを心配してくださって『あと千秋楽まで2日だから頑張るぞ』って強い言葉をかけてもらった。尊敬する、とても優しい父でした…すみません」と号泣。

「初代吉右衛門さんの芸を守り、全身全霊をかけて芝居に打ち込まれた。そして、先人たちの教えを守って、血と汗と涙の結晶をさらに良いものにして歌舞伎を進化させてくださった」と吉右衛門さんをたたえ、「その思いを後世に伝えられるようにわれわれも研鑽していきたい」と、自身も歌舞伎界を背負い盛り上げていくことを誓っていた。

実の息子のように菊之助をかわいがっていた吉右衛門さん。その大切な娘を裏切る不倫報道は、吉右衛門さんの心をも傷つけることにならないか。歌舞伎界の印象を悪化させることにつながらないか。SNS上では吉右衛門さんの心情をおもんぱかる声が相次いでいる。

《吉右衛門さんが亡くなって、タガが外れたのか》
《吉右衛門さんの大切なお嬢さん泣かせないで下さい》
《吉右衛門さんが泣くよ。どうなってんの歌舞伎界?吉右衛門さんが亡くなってから滅茶苦茶になってしまったな》
《亡くなられた叔父吉右衛門は天国でどれだけ悲しまれてるか》

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