カープ 90試合目で首位に躍り出る 破竹の10連勝 

広島カープは、ここまで9連勝。ファンが望むのは、さらなる連勝と1位の肩書きです。

その先発を担ったのは、リーグ2位の防御率を誇る 床田寛樹 でした。

自身最多の9勝目を目指すマウンドはテンポよく投げ進めます。4回には真骨頂。ボールを細かく動かし、3者連続で内野ゴロに仕留めるなど完璧にヤクルト打線を抑えます。

5回、前日に2つのフォアボールで勝利に貢献した 堂林翔太 。初球を迷わず振り抜き、打球をレフトへ。

好返球が送られるも、わずかに堂林の足が勝ち、一気に得点圏へ進みます。

すると、スタメンマスクをかぶった 會澤翼 。

今月、2つめのヒットで堂林がホームへ還り、先制タイムリーとなります。

しかし直後、床田が初めての連打を浴びると、続くヤクルト・塩見に犠牲フライを放たれ、早々に追いつかれてしまいます。

1点を失ったものの、ここで崩れなかった床田。7回には、この日、4度目の三者凡退に切って取り、攻撃への勢いをつけます。

すると、そのウラの先頭、前日、4打点と大暴れした 末包昇大 が、チャンスメイク。

追い込まれながらもフォークボールをとらえ、一気に2塁を陥れます。

続く堂林の、勢いを殺した絶妙なバントでランナーをサードへ送ると、巡ってきたのは會澤でした。「新井監督に起用されてからには応えたかった」とセンター前に打球を落とし、それを見た代走・大盛穂 は全力疾走でホームへ!

若手からベテランと打線がつながり、勝ち越しに成功します。

そして、8回のマウンドにも登った床田。先頭打者を空振り三振に抑えますが、打者2人目に4球目を投じたところでアクシデント。

人差し指がつってしまい、戻らなくなったという床田。8回途中、97球でマウンドをリリーフに託します。

緊急で上がったのは、先発顔負けの6勝を挙げているターリーでした。

3ボールから始まった打者にフォアボールを与えてしまいますが、最後はこの日、最速154キロストレートで空振り三振。後続2人を切って取り、リードを保ちます。

勝利への執念は、そのウラの攻撃にも出ました。まずは 野間峻祥 が、“らしさ” を発揮し、フルカウントからヒットで出塁すると、続く 秋山翔吾 が、フォアボールを選び、ランナー2塁・1塁のチャンスを作ります。

すると、カープ首脳陣は、代打の切り札・松山竜平 を投入。ベテランとして役割をきっちり果たし、さらに満塁にチャンスを広げると、堂林翔太 が、チーム10連勝を後押しする2点タイムリーを放ちます。

そして9回、大歓声の中、マウンドヘ上がったのは、前日、頭部死球を与えてしまった 栗林良吏 でした。

試合前には、「投げてみないとわからない」と一抹の不安も漏らしていた栗林は、先頭打者には3球連続ボールを与えてしまいます。しかし、ここから3球連続152キロのストレート。空振り三振で1つアウトを取ると、後続をそれぞれ1球で仕留め、ゲームセット。

先発・床田がキャリア最多の9勝目を挙げ、チームは10連勝。さらには、阪神の結果により90試合目でカープはついに首位に躍り出ました。

© 株式会社中国放送