大ベストセラー『思考の整理学』の著者・外山滋比古が遺した幻の一冊、刊行決定!

外山滋比古・著『自然知能』が7月29日(土)に株式会社扶桑社より発売される。

「人間は生まれながらにして自然知能を持っている。

昔、昔、そのまた昔から、自然知能は名もなく放置されてきたのである。そのため人間は進化がおくれた。そういうことを考える人もなかった。人工知能があらわれてようやく、自然知能が存在しなくてはいけない、ということがわかるようになった。

それにもかかわらず、自然知能ということばもない。本書が書名にこれを掲げたのは冒険であるかもしれない。」(本書より抜粋)

本書に収められている文章は、もちろん、AIが著者の没後に作成したものではなく、外山滋比古本人が、亡くなる3年前、2017年の春頃に執筆したもの。 その原稿は、未刊のまま大切に保管されていた。その幻の原稿が1冊の本となり、刊行されることになった。 外山滋比古の娘である外山みどりは、刊行にあたってこう話している。

「本書が、人工的な技術の産物であるAIの進歩に対する漠然とした危機感から出発して、人間が本来もっている広い意味での知能、自然知能と呼べるようなものの重要性を論じ、人間が潜在的にもつ能力の可能性を伸ばし、開花させるにはどうすればよいかを考えつつ書かれたものであることは確かである。」

(本書「刊行にあたって」より抜粋)

【著者プロフィール】

外山滋比古(とやま・しげひこ)

1923年、愛知県生まれ。お茶の水女子大学名誉教授。東京文理科大学英文科卒業。雑誌『英語青年』編集、東京教育大学助教授、お茶の水女子大学教授、昭和女子大学教授を歴任。文学博士。英文学のみならず、思考、日本語論などさまざまな分野で創造的な仕事を続けた。

著書には、およそ40年にわたりベストセラーとして読み継がれている『思考の整理学』(筑摩書房)をはじめ、『知的創造のヒント』(同社)、『日本語の論理』(中央公論新社)など多数。『乱読のセレンディピティ』『老いの整理学』(いずれも扶桑社)は、多くの知の探究者に支持されている。

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