新所沢パルコ閉店で記念バッグ誕生 手ぬぐい、ポストカードも 購入型クラファンのプロジェクト実施中

記念品のポストカードや手ぬぐいなどに使用されている和光南特別支援学校の生徒が描いた新所沢PARCOのイラスト

 1983年の開業以来、若者の流行を先導するなど地域に親しまれた埼玉県所沢市緑町の大型商業施設「新所沢PARCO」が2024年2月に閉店する。同店の思い出を心にとどめ、地域に恩返ししていこうと、同市のデザイン会社「kibi―ru ACTION」とデザイナー、県立特別支援学校2校が「新所沢PARCO 40周年の想いを込めて 特別支援学校による記念商品制作プロジェクト」に取り組んでいる。

 2校の生徒らが描いたイラストや文字などを活用したポストカードやバッグなどを受注生産する購入型クラウドファンディング(CF)「LOVE SHINTOKO PARCO」が3日からスタートしており、生徒らが心を込めた作品が地域の活性化に一役買っている。

 プロジェクトに参加している特別支援学校は、県立和光南特別支援学校(和光市広沢、矼秀年校長、生徒数約310人)と県立入間わかくさ高等特別支援学校(入間市小谷田、遠藤智久校長、同約360人)。いずれも15歳から18歳の高等部の生徒らがイラストなどの作品を提供している。

 CFは3日から8月18日までの間に100万円を目標に実施。生徒らのイラストを活用した記念品の購入希望者から支援金を募り、制作した記念品を12月に返納する。プロジェクトは今年1月から着手しており、生徒の作品などを活用したサンプルはネット上に掲載されている。

 和光南特別支援学校では既に生徒が描いたイラストや文字、授業で取り組む牛乳パックを原料にした再生紙など計約80点を提供。これらをデザイナーらが記念品の一部に活用し、トートバッグやマルチケース、ポストカード、手ぬぐい、商品タグなどのサンプルを制作した。

 同プロジェクトのホームページなどによると、同店の閉店に伴って、同店の「地域に恩返しできるイベントを立ち上げたい」とする意向を受け、「kibi―ru」が、福祉と社会の接点を広げようと、事業経験のあった特別支援学校2校に協力を依頼し、同プロジェクトを立ち上げた。

 和光南特別支援学校は「プレジェクトが特別支援学校を知るきっかけになってくれれば」とCFの効果に期待を寄せている。

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