「まるで沸騰するかのように…」 湧き上がる積乱雲 激しい雷雨もたらす雲が生まれる様子を宇宙から

28日は西日本から東日本にかけてあちこちで非常に発達した積乱雲が発生して激しい雷雨となった所がありました。

高気圧の縁をまわって暖かく湿った空気が入っている状況で、地上付近が猛烈な暑さとなる一方、上空高い所に寒気が入っているため、特に午後は大気の状態が非常に不安定となったためです。

特に上昇気流が起こりやすい山地中心に積乱雲が非常に発達しています。ひまわり衛星画像では宇宙からそんな様子を見ることができます。

28日夕方、広島市中心部にあるRCC屋上から北の方向を見ると、発達した積乱雲の上層で雲が水平方向に広がっている様子が見えました。地上からは「かなとこ雲」として見られる部分です。

湧き上がった積乱雲は対流圏界面に達すると、そこから上にはいけないため上層で雲が水平方向に広がっていくためですが、衛星画像で見るとその様子がよくわかります。

27日も同じような状況で、中国山地では局地的に非常に発達した積乱雲が湧き上がりました。

積乱雲の上昇流が非常に強い場合に雲頂が対流圏よりも上空に突入することがあります。衛星画像を見るとボコボコとまるで沸騰したように見えている部分で、「オーバーシュート」と呼ばれる現象です。
※動画で見ていただくとその様子がよくわかります

広島県北部で非常に発達した積乱雲から広がった上層の雲の先端が広島市中心部まで届いていました。こちらの方が地上でも、より「かなとこ雲」らしい様子がわかると思います。

このような非常に発達した積乱雲の下では、雷を伴った激しい雨や突風など激しい気象現象が起こる危険があります。27日・28日ともに広島県には「竜巻注意情報」が発表されました。レーダーなどをうまく活用してやり過ごすことが大事です。

激しい気象現象をもたらす積乱雲ですが、宇宙から湧き上がる様子を見ると自然の美しさを感じます。

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