中国の輸入遅延、コメにも波及 政府、日本食品巡り申し入れ検討

東京電力福島第1原発。敷地内には処理水などを保管するタンクが並ぶ=2021年1月

 中国が日本からの輸入水産物に対する全面的な放射性物質検査を始めたのに続き、ほかの日本産食品も税関に留め置かれ通関の遅れが生じている問題で、輸入の遅れがコメにも波及していることが28日分かった。事態の深刻化を受け、日本政府は中国側に対し、通関遅滞に反対する立場を表明し、理由の説明を求める申し入れを行う方向で検討している。日中関係筋が明らかにした。

 東京電力福島第1原発処理水の海洋放出計画に中国が強硬に反対し日中の対立が深まる中、中国側は留め置きの根拠を示しておらず、中国で日本食品を扱う販売業者などに不安が広がっている。

 水産物以外の酒や菓子などさまざまな飲食物が税関に留め置かれ、輸入が遅れる問題が今月下旬になって表面化。日本政府関係者らが中国各地で調査を実施し、現状の把握を進めている。

 日中通商関係者によると、中国側は水産物以外の食品についても放射性物質検査を厳格化したかどうかについて説明をしていない。

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