大和パワハラ訴訟 横浜地裁判決、大木前市長の請求棄却 264万円の支払い命じる 提訴は「不法行為」と指摘

判決を受けて弁護団と会見した大和市元副市長の金子勝氏=横浜市中区

 大和市の大木哲前市長(74)が、職員に対してパワーハラスメントを繰り返したと金子勝元副市長(66)に証言され名誉を傷つけられたとして、謝罪広告の掲載と慰謝料など1100万円の損害賠償を求めた訴訟の判決で、横浜地裁は28日、請求を棄却し、大木氏側が金子氏側に264万円を支払うよう命じた。金子氏の証言の大半は「真実と認められる」とし、大木氏の提訴は「著しく相当性を欠く不法行為」と指摘した。

 金子氏は、大木氏に「証言は捏造(ねつぞう)」と公言されて名誉を毀損され、不当な訴訟を起こされたとして550万円の損害賠償を求め反訴していた。

 藤沢孝彦裁判長は、大木氏が職員に人事異動や降格を示唆する発言をしたり、理不尽な理由で叱責(しっせき)したりしたとの証言について、金子氏や元職員らの陳述から真実と認められると指摘した。その上で、金子氏がパワハラなどと表現したことに問題はないとし、「証言は公益目的で、ありもしない言動を捏造したものでもない」と認めた。

 一方で、大木氏の請求は認められないと結論付け、大木氏による「証言は捏造」との発言は「自らに対する政治的悪影響を払拭しようとした可能性が高く、公益目的と認めがたい」とも言及した。

© 株式会社神奈川新聞社