石川県内の消費相談79件 ビッグモーター15年以降、売買や整備

ビッグモーター野々市店から資料を運び出す北陸信越運輸局職員=28日午後5時52分、野々市市三日市3丁目

  ●野々市店、帳簿など調査/国交省全国一斉立ち入り

 中古車販売大手ビッグモーター(東京)による自動車保険の保険金不正請求問題で、石川県消費生活支援センターに2015年以降79件の相談があったことが28日、分かった。中古車売買や整備などを巡るトラブルで、16年に野々市店が出店した頃から増えたとみられる。国土交通省は同日、道路運送車両法に基づき、野々市店など24都道府県の34事業場へ一斉に立ち入り検査し、帳簿や整備の記録などを調べた。国交省は今後、行政処分を検討する。

 野々市店の検査は午前9時ごろから約9時間行われた。北陸信越運輸局職員3人が板金工場を調べ、従業員への聞き取りも実施し、一部の資料を運び出した。同運輸局自動車技術安全部整備・保安課の芦澤宏明課長は「検査の詳細は回答を差し控える。不正があれば、厳正に対処する」と述べた。営業の男性店員は「整備の実態は全く知らず、びっくりした」と話した。

 外部弁護士の調査報告書は、野々市店では修理事例71件のうち、30件で不適切行為疑いを指摘していた。

 自動車整備工場への立ち入りとしては過去に類を見ない規模で、今回の検査対象を含めた135事業場について、法令違反がないか自ら調べて報告するようビッグモーターに指示した。

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