琉球王国歴代の霊廟「崇元寺」 当時の面影をジオラマで 国指定史跡目指し再現 那覇市泊

 沖縄県那覇市は28日、那覇市泊の崇元寺跡で、5月に完成した崇元寺遺構ジオラマに関するマスコミ向け説明会を開いた。市は2020年度に崇元寺跡の遺構を調査し、22年度に崇元寺跡の整備に必要な隣接地の土地を購入した。ジオラマ設置は、市が目指す同跡の国の史跡指定に向けた、崇元寺跡整備活用事業の一環。

 崇元寺遺構ジオラマは合成樹皮で造られ、大きさは約4メートル四方。20年度に7地点で実施した遺構調査から、正廟(せいびょう)と庫裏(くり)(寺院の住居部分)をつなぐ階段や通路が確認された遺構を再現した。ジオラマの横には当時の建物の配置を再現した、「崇元寺伽藍(がらん)配置模型」も設置した。

 説明会には、戦前まで崇元寺の庫裏に住み復元にも協力した上江洲隆さん(90)も参加した。「当時はとても広い場所のように思えた」と振り返り、石門の上に登り祖母に怒られたことなど、幼い日々の体験を語った。

(藤村謙吾)

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