<高校野球>勝ち抜くにはタフさと運が…花咲徳栄、宿敵・浦和学院に屈する 安打数上回るもつながらず

3回裏花咲徳栄無死一、三塁、生田目が同点の右犠飛を放つ。捕手篠塚

 花咲徳栄が4年ぶりの夏制覇まであと1勝に迫ったが、宿敵浦和学院に屈した。岩井監督は「埼玉の準決、決勝を勝ち抜くにはよほどのタフさと運がなければ駄目」と、3時間半を超える準決勝の激闘から中1日で迎えた頂上決戦で、投打ともに力を出し切れなかった。

 五回を除く毎回の13安打を放ちながら10残塁。安打数では相手を上回りながら打線のつながりを欠いた。一回1死一、三塁から中軸が倒れ、二回1死一塁では併殺に倒れ、先制機を逸した。準決勝までの6試合で打率4割超えの4番小野は「相手のマークがきつかった」と内外を厳しく攻められ、好機で凡退した。

 1点を追う三回には無死一、三塁から得点は生田目の犠飛による1点のみ。得意とする先手を相手に取られ、反撃も同点止まり。直後に4点差とされると後手に回った。

 互いに満塁の場面をつくった六回の攻防が明暗を分けた。2死球などで得た好機から確実に2点挙げた相手に対し、花咲徳栄は3安打を放ちながら無得点に終わった。岩井監督は「だらしないところが出てしまった」と勝敗の分かれ目として挙げた。

 3番手として登板した上原が、七回以降無安打に抑え、味方の反撃を促す。九回、先頭の7番柴田、途中出場目黒の安打で1死一、三塁とし、生田目の適時打で1点を返したが、反撃もここまで。最後まで継投でつないだ相手投手陣を打ち崩せずに終わった。

 昨秋は県2回戦、今春は県3回戦で敗れたチームが、今夏、70得点を挙げた。岩井監督は「沈みかけたチームをよくここまで持ってきてくれた。頑張りに感謝したい」とチームをたたえた。

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