【池田将人さん(ホテルイタリア軒『マルコポーロ』/ シェフ)】「美食の街・新潟」を広めるために

池田将人さん(ホテルイタリア軒『マルコポーロ』/ シェフ)

【プロフィール】
池田 将人(いけだ まさと):十日町市出身。幼少期より料理に関心を持ち、高校卒業後は新潟市内の調理師専門学校へ進学する。卒業後は、在学中よりアルバイトをしていた『ホテルイタリア軒』に就職。現在は『マルコポーロ』のシェフとして、伝統を守りつつ地産地消を進めるメニュー開発に取り組んでいる。

ガタチラスタッフ:『新潟人161人目は、ホテルイタリア軒のレストラン『マルコポーロ』のシェフ・池田将人さんです!子供の頃から料理が大好きで、今でも休みの日のリフレッシュ方法は“料理”というほど料理が大好き(笑)レストランの責任者として、イタリア軒の伝統を大切にしながら現代に合わせた新しいことにも挑戦されています。素敵な笑顔で取材に応じてくださり、ありがとうございました!』


物心ついてから現在までずっと料理好き

–小さい頃から料理が好きだったのですか?

池田さん:そうですね!幼稚園の頃からご飯を作っている親の隣で、切ったり炒めたりをいつも真似していました(笑)。当時は、たくさんある遊びの中の一つが料理でしたね。

–料理の道に進もうと思ったきっかけは何だったのですか?

池田さん:実家にいる頃から料理をよく作っていました。高校生の頃、親戚が集まった際に自分が作った料理を皆が「美味しい!」と言って食べてくれたんです。それが本当に嬉しくて、“料理の道に進もう”と決めました。

–普段から作る料理を「美味しい」と喜んでもらえたことがきっかけだったのですね!

池田さん:始まりは日常の料理からでしたね。なので、専門学校へ入学した当時は、特別な日の料理である婚礼料理をやりたいと思っていました。実は「ホテルイタリア軒」とのご縁は学生時代からなんです。アルバイトとしてキッチンで働かせていただいて、現場ならではの技術を教えてもらったり、貴重な経験ができましたね。アルバイトを通して“ホテルレストランの魅力”に惹かれ、「ここでもっと成長したい」と思い、就職しました。

–今ではレストランを仕切る責任者としても活躍されていますが、不安はなかったですか?

池田さん:私自身、早くシェフになりたかったので、単純に嬉しい気持ちが大きかったです。しかし、いざやってみると大変な事が想像以上に多くて驚きましたね(笑)。他のスタッフに支えられながらやってこれています。

(マルコポーロのシェフの皆さん)

伝統をブラッシュアップし続ける

–『マルコポーロ』の特長を教えてください!

池田さん:老舗であるホテルイタリア軒の伝統がありつつ、敷居の高さを感じさせないカジュアルさが特徴です。その良い例が、夏季限定の『かき氷』ですね。昨年から新たにスタートして、おかげさまで人気メニューの一つになっています!

–かき氷をメニューに入れたきっかけは何ですか?

池田さん:これまでは、あまりデザートメニューに力を入れていなかったので、しっかりメニュー作りをしたいなと思っていた時に、「かき氷」がふと浮かんだんです。そのタイミングでかき氷の機械を扱う業者さんとご縁があり、「これはもうやれという事だな」と思いました(笑)。そこからスタッフ皆でメニューを考案し、「スイーツかき氷」が誕生しました。

–メニューを考える際にこだわっていることはありますか?

池田さん:マルコポーロには洋食屋としての伝統があるので、メニューのベースは変えずに、現代に合わせた盛り付けや仕上げ方などの“見た目”にこだわっています。キッチンスタッフには若い世代が多いので、みんなで意見を出し合い現代向けにブラッシュアップしていこうと取り組んでいます。

–責任者として、スタッフの教育で大切にしていることはありますか?

池田さん:「料理を作る本人が美味しいと思っているかどうか」を大切にするように伝えています。味覚は十人十色なので、みんなに合う料理を作るのは難しいと思います。だからこそ、まずは“作っている本人が楽しく、美味しく作ること”が大切だと考えています。当店はオープンキッチンなので、お客様にもその部分は伝わると思いますね。

–責任者になって大変だと思うことは何ですか?

池田さん:これは役職というよりは私自身の話になりますが、忙しくなってくるとバタバタしてしまう所があって、まだまだだなといつも思います…(笑)ベテランシェフのように、どっしりと構えていたいのですが…、動じない事がどんなに大変かを実感しています。

“美食の街・新潟”を広めたい

–「食育実践プランナー」の資格を取得したきっかけは何だったのですか?

池田さん:新潟には素晴らしい食材がたくさんありますが、新潟に住んでいる多くの人たちがそのことを知らないんです。地産地消を推し進めたいと思い、『食育実践プランナー』の資格を取得しました。実際に農家へ足を運んで話を伺ったり「どうしたら新潟の食に良い流れが生まれるのか」を常に考えています。

–池田さんの考える地産地消の良さは何でしょうか?

池田さん:例えば、フォアグラやキャビアなどは高級食材と言われますよね。しかし、それ以上に“産地で新鮮なものをその場で頂くことが何より高級”であり、それこそが地産地消の良さだと考えています。ただ、その機会があまりないので、新潟食材の美味しさを広めるために試行錯誤しています。

–池田さんご自身が実際に農家さんの元へ足を運ばれているのですね!

池田さん:休日はできるだけ農家さんへ会いに行っています。直接お話を聞くことで、私自身学ぶことも多く、新たな発見があります。料理を通じて、新潟食材の魅力を伝えられたら嬉しいですね。当店で使用する食材も地産地消を意識して選んでいるので、食材の美味しさにも注目していただきたいです!

–最後に、今後の目標を教えてください!

池田さん:地産地消を今よりもっと実践していくことです!県内の人には「新潟にこんなに美味しいものがあったんだ!」と言って欲しいし、県外の人には「美味しいご飯を食べに新潟に行こう!」と言ってもらいたいです。今でも、県外から「マルコポーロのミートソースを食べたくて来ました!」と来店してくださる方もいらっしゃるので、そういう機会を増やしていけたらと思っています。

(日本で初めて提供されたというホテルイタリア軒の140年前から続くミートソース)

–「日本で最初と言われている伝統のミートソース」を求めて来る方も多いのですね!

池田さん:そうですね。だからこそ、老舗の当店ならではの伝統を守りつつ、新しい事にどんどん挑戦していきたいと思っています。お客様にも、引き続き見守っていただけると嬉しいです。伝統を守り続ける「ミートソース」はもちろん、現代風の「スイーツかき氷」も一緒に楽しんでもらえる所が魅力だと思います!カジュアルな空間なので、ぜひ様々なシーンで利用していただきたいです!

マルコポーロ
住所:新潟市中央区西堀通七番町1574番地
電話:025-224-5123
営業時間:朝食7:00~10:00(L.O 9:30)、ランチ11:30~14:30(L.O 14:00)、喫茶10:30〜17:30(L.O 17:00)、ディナー/平日17:30~21:00(L.O 20:30)
※最終入店20:00
※7月1日〜9月10日の期間「夏のビアホール」開催のため、営業時間が変更となります。
定休日:なし

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