コロナ感染のブランクでパットが“再覚醒”した鈴木愛 3つの改善点

元賞金女王が逃げ切りで2年ぶりのツアー優勝を狙う(撮影/大澤進二)

◇国内女子◇楽天スーパーレディース3日目(29日)◇東急グランドオークGC(兵庫県)◇6636yd(パー72)◇晴れ(観衆1580人)

前週「大東建託・いい部屋ネットレディス」で新型コロナ感染から4週ぶりにツアー復帰した鈴木愛が最終日を前に、通算17アンダーで後続に2打差をつける単独首位に立った。福岡県糸島市で臨んだ療養明けの一戦も、初日を除き3日連続で気温30度超。「先週に暑い中でプレーしたのが、デカかった。これが初戦だったら多分耐えきれなかったと思う」。この日最高34.8度を記録した炎天下の54ホールを振り返った。

3日間通し、パーオン率は全体8位の平均75.9%(41/54)、パット数は全体4位の26パット。初日から感触は「良い」と話し、「67」、「66」、「66」と60台を並べた。この日は後半13番(パー5)から約5mのパットを立て続けに沈め、3連続バーディ。16番では1mを外してボギーを喫したが、最終18番(パー5)では44ydの3打目を58度のウェッジでチップインさせ、イーグルで締めくくった。

パットの名手が復調の手応えをつかんだ(撮影/大澤進二)

好調の要因を「休んでいた期間中にパットでひらめいたことが良かった」と話す。症状回復後の練習ラウンドで「試合に出ていた時の感覚とその時に最初に打った時の感覚が違っているように感じた」。クラブに触れなかった数週間のブランクで、アドレス時の重心が右サイドに傾いていることに気付いた。「軸を真っすぐにして打つように」心がけるようにした。

賞金女王になった2017年と賞金ランク3位の18年という「パッティングのフィーリングが良かった」という2シーズンを思い出した。「左側に重心を置くことが多かったけど、いまは5:5か、または右側の方がだんだん強くなっていて『こういう感じじゃない』って」。具体的には「左手はしっかり握って、右手はやさしく。あとはボールに当たる時にフェール面がかぶりやすいので、上げたところに下ろすように」と3つの改善点をカギに、調子を戻してきた。

1イーグル5バーディ、1ボギーの「66」(撮影/大澤進二)

直近の優勝は2021年7月「資生堂レディス」。2年ぶりツアー18勝目へ。「練習もなかなか出来ていないので、自分に期待しすぎず。優勝争いはしているけど、スコアにあまり集中しすぎずに1ショットずつどういう風に攻めていこうかだけを考えて明日も回りたい」。高ぶる思いを抑えるように抱負を語った。(兵庫県加東市/石井操)

© 株式会社ゴルフダイジェスト・オンライン