需要うなぎ上り 金沢の店、30日土用の丑 価格高止まりもスタミナ求め

ウナギのかば焼きがずらりと並んだ売り場=29日午前10時20分、金沢市内のスーパー

 30日の「土用の丑(うし)の日」を前に、金沢市内のスーパーや鮮魚店でウナギのかば焼きの販売が好調となっている。稚魚の減少などで価格は高止まりしているが、連日の猛暑で人気はうなぎ上りで、スタミナを付けて夏を乗り切ろうと買い求める客が目立つ。各店は新商品を打ち出したり、高品質をアピールしたりして需要の取り込みに躍起だ。

 富樫1丁目のスーパー「ニュー三久泉が丘店」では29日、売り場にウナギのかば焼きがずらりと並んだ。価格は例年より1割ほど高いが、予約数は前年を超えており、店内で焼いた1匹3980円や4280円が好調という。手軽に味わえ、人気が高い「うな重」もそろえる。

 近江町市場の「大口水産」では、27日から店頭でウナギを焼き始め、市場に香ばしい煙が漂った。4千円前後の商品を中心に人気で、荒木優専務は「連日の暑さで、早めにウナギを食べようという人が多いようだ」と話した。

 相次ぐ食品の値上げを受け、消費者の節約志向は高まっているが、「この日ばかりは」と高級路線の商品も人気となっている。

 芝寿し(金沢市)は従来の「うなぎまぶし」をリニューアルし、大ぶりの国産ウナギを使った「炭火香る 特上うな重」(2970円)を用意。予約は順調で、店頭では29、30日に販売する。

 武蔵町のウナギ料理店「浜松」は価格を据え置いてきたが、今年、値上げに踏み切った。北野嘉郎専務は「値上げは心苦しいが、その分、産地や味にこだわったウナギを提供していきたい」と語った。

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