NTT完全民営化に課題 自民検討、競争力強化狙う

東京・永田町の自民党本部

 自民党は、政府が保有するNTT株売却に向け、8月にもプロジェクトチーム(PT)を設置し、課題を整理する。国際競争力強化へ完全民営化も視野に入れ、売却収入の一部を防衛費増額の財源に充てる方向で検討する。ただ通信の秘密を担う大企業の株だけに、経済安全保障上の観点からの慎重論が少なくない。

 NTT法は、固定電話の「ユニバーサルサービス」の維持や、通信技術の研究推進・成果の普及をNTTに求める。担保措置として政府による3分の1以上の株保有を義務付けている。

 自民の萩生田光一政調会長は、研究成果の普及規定が、最先端技術の公開につながり、競争力をそぐ一因になっていると主張した。

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