アサリがザクザク、アナゴはニュルッ 神戸・兵庫運河の生態に児童ら歓声 8月は北海道・小樽で

大小のアサリをたくさん見つけ、喜ぶ子どもたち=兵庫区材木町

 兵庫運河(神戸市兵庫区)と小樽運河(北海道小樽市)の歴史と環境を学ぶ催し「ひょうご・おたる運河調査隊!2023」(神戸新聞社共催)が、神戸市内などで開かれている。29日は県内と北海道の児童40人が、兵庫運河でアサリを採取したり、海の生き物と触れ合ったりして、水質の改善を実感した。(劉 楓音)

 子どもたちに運河への関心を深めてもらおうと、一般社団法人「海と日本プロジェクトinひょうご」などが主催する。28~30日は市内で、8月25~27日は小樽運河などで学ぶ。

 兵庫運河は全長約6.5キロで、1899(明治32)年に完成。高度経済成長期の1960年代、工場からの排水やごみの廃棄により、水は黒く油が浮き、ヘドロがたまって汚染が深刻化した。これを問題視した兵庫漁業協同組合の漁師や住民らが運河の清掃やアサリを増やす活動などに取り組み、水質を改善した。

 この日、児童らは人工干潟で掘れば掘るほどアサリを見つけ、「楽しい」と歓声を上げた。船に乗り込むと、アナゴやイシガニを引き揚げ、手に取って観察。採取した泥のにおいをかいだほか、小樽運河と比べるため、水温や塩分濃度のデータも記録した。

 灘区の六甲小5年の男児(10)は「兵庫運河のことは知っていたけど、環境が良くてこんなに生き物がいるのは初めて知った」。札幌市の小学5年の女児(11)は「小樽運河より水質がきれい。これからも勉強したい」と話した。

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