【夏の高校野球福井大会決勝:北陸6-5福井商業】最終盤に襲いかかってきた福井商業打線を北陸の3番手・竹田海士が何とか食い止めた。エース友廣陸がつないでくれたバトンを落とすわけにはいかなかった。
チームは、アクシデントからのスタートだった。好投していた先発の川上将大が二回の打席でバントを試みた際に右手指を負傷し、交代した。その窮地を右腕の友廣が救う。
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「無駄な四球は出すな。コントロール重視で」。友廣は右肘のコンディションが上がらず初戦の2回戦で先発し3回を投げただけ。状態が良くない中で頭をよぎったのは林孝臣監督に常日頃から言われているこの言葉だった。
140キロ台の速球がありながら、この日のまっすぐは130キロ台前半。その分、丁寧にコースを投げ分けてゴロアウトを重ねた。本来185センチの長身から投げ下ろす角度のある球が武器だが、春の選抜大会では球速を意識するあまり制球を乱した。甲子園での反省を生かし、5回3分の1を1失点。力ではなく技で投げ勝った。
自身が投げない間、川上が2試合に先発し、継投で勝ち上がってきた。「仲間のおかげで立たせてもらった」決勝の舞台だ。次はエースの自分が、と燃えないはずもない。
北信越王者となった昨秋は試合の大半で友廣が先発を担った。だが、今のチームには継投で勝ち抜く力がある。7年ぶりの夏頂点。新たな強みを手に、北陸が春に続いて聖地に挑む。
