熱中症や水の事故怖い…子どもの海水浴デビュー目安は何歳? 低いほどメリットよりリスク

初めての海水浴で笑顔を見せる子ども=7月21日、福井県坂井市三国町の浜地海水浴場

 暑い日が続くし、わが子と海で遊びたい―。でも、子どもの海水浴デビューに必要な持ち物や、気をつけたいことは何だろう。全国で水の事故が後を絶たないが、安全に楽しむためのポイントをまとめた。

 県内で梅雨が明けた21日。浜地海水浴場(坂井市)では朝から気温がぐんぐん上がり、午前11時ごろには30度に迫る暑さとなった。この日、大阪府豊中市の会社員男性(45)は、長女(1歳10カ月)を連れ、初めての海水浴に訪れた。

 プールで遊んだ経験はあるという長女。ラッシュガードを着て、水泳帽をかぶり、腕用の浮輪「アームヘルパー」を着け準備万端。波打ち際で立ち上がったり、ぷかぷかと浮かんだり。海や波を怖がる様子もなく、終始ご機嫌で海水浴を楽しんでいた。

 男性は「脱水症や紫外線対策に注意しました。万が一のために親用のライフジャケットも用意しました。子どもは嫌がらずに楽しんでたのでよかったです」と娘との初めての海水浴を満喫していた。

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 子どもの海水浴デビューは何歳くらいからがよいのだろうか。

 福井市の開業助産師、塚原杏都子さん(53)は「お座りができる半年くらいから可能かもしれないけど、乳児と炎天下の中、無理して海へ行かなくてもよい」とした上で、個人差はあるが「帰る」「眠い」など自分の言葉で意思を伝えられるようになる2歳程度が目安になるという。

 注意すべき点として▽当日に向けた体調管理▽熱中症▽紫外線▽けがをした場合や新型コロナなどの感染症―を挙げる。「けがをしたときに傷口を洗う水と、消毒液があると良い」と指摘。海水浴場の近くに救急で受診できる病院がどこにあるか、事前に調べておくことが大事だ。

 また「年齢が低ければ低いほど、海へ行くメリットよりもリスクが高くなる」と塚原さん。「1歳未満なら、まずは自宅でお風呂場やビニールプールで水遊びを楽しむことからで十分。どうしても海へ行くのなら、海辺を抱っこして歩いたり、波の音を聞いたりすることもできる。海へ行くことがその子にとってメリットなのかデメリットなのかをよく見極めてほしい」と話している。

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