天正遣欧使節ゆかりの7市町 長崎県内外の中学生50人が交流

釜蓋城について学ぶ天正遣欧少年使節ゆかりの地の中学生たち=雲仙市千々石町

 16世紀に長崎から欧州に派遣され、ローマ教皇に謁見(えっけん)した天正遣欧少年使節に関連する長崎県内5市町と宮崎県西都市、熊本県天草市の中学生が、26日から2泊3日の日程で雲仙市を訪れた。ゆかりの地を見学するなどして交流を深めた。
 中学生が集い使節の功績や歴史に触れようと「同使節ゆかりの地首長会議」が2001年から事業を始めた。直接集まるのはコロナ禍の影響で4年ぶり。
 4人の使節は千々石ミゲル、中浦ジュリアン、原マルチノ、伊東マンショ。それぞれの出身地とされる雲仙市、西海市、東彼波佐見町、西都市と、キリシタン大名の大村純忠が治めた大村市、神学校「セミナリヨ」があった南島原市、帰国後の4人が学んだ神学校「コレジヨ」があったという天草市から、計50人が参加した。
 参加者は26日、雲仙市千々石町の県立千々石少年自然の家で4人の功績などを発表。27日は、ミゲルの父、直員(なおかず)が城主だった釜蓋城跡(同町)を訪ねた。釜蓋城は1577年、佐賀の龍造寺氏の侵攻を受け落城。城跡の展望台で市職員が「郷土のため戦った直員の思いを継ごうと、武者姿の参加者がたいまつを手に練り歩く夜祭り『観櫻火宴(かんおうかえん)』を春に開いている」などと説明した。
 天草市立河浦中2年の吉田菜々美さん(13)は「4人のことを深く知ることができた。城跡は眺めが良い。千々石が城下町として栄えていたことを思わせる」と話した。

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