セルクル・ブルッヘからフェイエノールトへの移籍が噂されている上田綺世。
移籍金は最大で1000万ユーロ(15.5億円)になるとされており、そうなった場合はフェイエ史上最高額選手になる(これまでの最高額はスロバキア人DFダーヴィド・ハンツコの830万ユーロ)。
そうしたなか、ESPNオランダは上田の特集記事を配信。「フェイエノールトが上田を史上最高額で獲得すべき4つの理由」として、傑出したスタッツを紹介していた。
・キラー
ベルギーリーグでの1年目、上田は的を射た。
日本のJリーグでは86試合で38ゴールとほぼ2試合に1点を決めていたが、セルクルではさらに向上し、40試合で22ゴールを叩き出した。これは得点王になったヘンクFWウーゴ・カイペルスに次ぐ2位だ。
特にウィンターブレイク後は19試合で15ゴールと爆発。彼は2つの特性で危険な存在になっている。
まず何よりも、この日本人はターンからのシュートを信じられないほど簡単に打つ。ゴールを狙うのにわずかなスペースしか必要としない。
さらに、上田はセンターフォワードとしてはかなり素早い。特に大柄なCBに対しては、そのスプリントによって、かなりの深さを作れる。
・ペナルティエリア内のキツネ
彼がゴールを奪っている場所を見てみると、かなりクラシカルなゴールハンターであることが分かる。特にペナルティエリア内が彼の主戦場だ。
セルクルでのシーズンで得点数が多かっただけでなく、ゴール期待値(19.0)でも質が高かったことは、今後もシューターとして活躍を続けることを示唆している。
実際、過去のデータ調査ではチャンスを仕留めることよりもチャンスを得るほうが再現性が高いことが分かっている。その点で上田は一発屋というよりも魅力的な選手に思える。
・ヘディングの強さ
上田はそれほど大柄ではない。(182cmというデータよりも小さく見えるものの)身長的にはそれほど悪くないが、体格はかなりスリムだ。
それでも、ヘディングでの積極性は際立っている。47.5%という空中戦勝率自体は高くないが、2022-23シーズンのベルギーリーグで上田よりも多く空中戦に関与した選手はいないのだ。
これはFWへのロングボールを選択することが多いセルクルのプレースタイルが非常にダイレクトであることの影響でもある。ただ、この日本人が空中戦に非常に熱心であることも示している。
・プレッシングへの熱意(ファイナルサードでボールを奪った回数27回)
フェイエを率いるアルネ・スロット監督のチームでストライカーとして成功したいなら、プレッシングには確信を持って参加しなければならない。
その点でフェイエが上田を獲得するのは理に適っている。昨季のベルギーリーグでファイナルサードでのボールを奪った回数が彼よりも多いセンターフォワードは3人しかいないのだ。
セルクルは激しくプレッシングを仕掛けるチームではない。単に上田が高いインテンシティで何度も何度も追いかけることを厭わないというだけである。これはスロットが好む特徴だ。
ただ、上田には疑問点も挙げられる。例えば、フットワークはまだ非常に限られているし、ボールキープ力もサンティアゴ・ヒメネスのレベルには到底及ばない。
とはいえ、ベルギーでの素晴らしいスタッツを考えれば、上田の獲得に大金がかかるのは理解できる。
上田が記録した攻守にわたるスタッツはハイレベルであり、クラブ史上最高額で獲得する価値はあると見ているようだ。
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なお、ヒメネスはアルゼンチン生まれのメキシコ代表FWで、昨シーズンはフェイエでの全コンペティションで23ゴールを決めている。