【女性編】離婚後のひとり暮らしで実感した“自由と寂しさ”のリアル #1「まさか職場で…」

子どもがいない状態で離婚した場合、その後はひとり暮らしで生活していく人もいます。

それまで配偶者とふたりだった暮らしからひとりになったとき、想像していた自由と同時に思いがけない寂しさを覚えることも。

離婚したからこそ見えてきた「自分の姿」とは、どんなものだったのでしょうか。

「離婚後のひとり暮らし」を送る女性たちに話を聞いてみました。

「元夫の不倫が原因で離婚しました。

うちはふたりで話し合って子どもは作っていなかったのですが、夫婦水いらずで幸せに暮らしていると思っていたら、夫のほうは隠れて別の女性と肉体関係を楽しんでいたとわかって、当時は本当にショックでしたね。

散々揉めた末に慰謝料代わりのクルマが手に入り、不倫相手の女性に請求しない約束で貯金なども財産分与で私が多めに受け取りました。

マンションは元夫に譲ったのですが、長年住んでいるところなら離婚後は近所の人に何を言われるのかわからなくて、出てよかったと思っています。

ひとり暮らしを決めたのは、実家が市外にあって職場に通うには遠すぎたのが理由です。

ずっと正社員として働いているし貯金もあるのである程度自由に部屋を決めることができて、今も住んでいますが満足しています。

問題だったのは、職場の人。

隠しても仕方ないと思って会社の人には離婚したことを話したのですが、別れた原因については元夫の不倫ではなく『性格の不一致』としていました。

噂好きな女性社員がいて、不倫で離婚したなんて知られたら陰で何を言われるかわからなかったので、自衛のつもりでした。

ところが、具体的なことは何も話していなかったのに『子どもができなかったせい』『性生活がうまくいっていなかったのでは』と結局はあれこれ言われていることがわかって。

仲のいい同僚が教えてくれて、『否定しておいたけど、本当に勝手よね』と一緒に怒ってくれました。

この同僚にも性格の不一致で離婚したとしていますが、自分たちの選択で子どもは作らないことなどを話していたので、かばってくれたのだと思います。

気がついたのは、結婚している社員のなかで子どもがいない家庭は少ないことで、そのせいもあって余計に好奇の目で見られたのかもしれません。

仕事はきちんとこなしてきたし、離婚後も大きなミスなどなくやれているのに、給湯室で一緒になった別の部署の女性社員がさっと離れていくのを見ると、前は普通に話していたのになと寂しかったですね……。

私生活で一方的な憶測を持たれて注目されるのが、こんなにつらいとは思いませんでした。

噂が耳に入った男性の上司から『暇なやつの言うことなど気にするな』と言われて少し元気が出ましたが、離婚って他人にとってはこんなに関心を持たれるものなのかと予想外に疲れています。

いま住んでいるアパートの近くには知っている人がいないので気楽に過ごせていますが、しばらくは会社に通うのが憂鬱になりそうです」(36歳/営業)

人の離婚について、原因などあれこれ探ってくる人はどんなところにもいます。

上司の言う通り暇な証拠ですが、会社の社員など距離が近ければ避けることもできず、ストレスが溜まる一方ですよね。

離婚の結果、以前より充実した自分になれても、外の世界では思いがけない関心を呼ぶこともあります。

それでも、胸を張って堂々と過ごすのが正解であり、バカバカしい噂はスルーして過ごす強さが自分のためといえます。

(ハピママ*/ 弘田 香)

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