ハンドボール男子 瓊浦13年ぶり決勝へ 北海道インターハイ

【ハンドボール男子準決勝、瓊浦―岩国工】延長前半1分、瓊浦のセンター川田がシュートを決めて35点目=函館市、函館アリーナ

 全国高校総合体育大会(インターハイ=翔び立て若き翼 北海道総体2023)第9日は30日、各地で9競技が行われ、長崎県勢はハンドボール男子の瓊浦が準決勝で岩国工(山口)に延長の末41-36で競り勝ち、2010年沖縄インターハイ以来、13年ぶり4度目の決勝進出を果たした。
 第10日は31日、各地でハンドボール、サッカーなど6競技を実施する。

◎延長で競り勝つ 「気持ちの強さ」前面

 互いに死力を尽くしたという言葉がふさわしい一戦だった。
 延長までもつれたハンドボール男子準決勝の瓊浦-岩国工(山口)は、瓊浦が最終盤の激闘を制して、13年ぶりに決勝進出を決めた。末岡監督は「後半残り2秒で追いつかれて入った延長。雰囲気が良くない中、もう一度“絶対に勝ち切れ”と言って送り出したが、本当にやってくれた。ようしのいだ」とかみしめるように言葉をつないだ。
 主将の大田が「何十回も練習試合をやってきた」というライバル岩国工。互いの手の内を知る両校の戦いは、序盤から一進一退となった。どちらがリードしても、その差は3点以内。瓊浦が川田、檜垣、大田のバックプレーヤーを軸にシュートを決めれば、大柄な選手をそろえた岩国工は体格を生かして直線的に攻めてくる。前後半60分間で決着はつかなかった。
 勝負を決めたのは、選手たちの「気持ちの強さ」(末岡監督)だった。前後半各5分の延長前半1分、右ウイング齋藤が“先制”シュートを決めると、大田の2分間退場があった中、川田、檜垣が意地のシュートを突き刺した。2点リードで入った後半は完全な瓊浦ペース。GK榊の好セーブも続き、最後は41-36と5点差をつけた。
 決勝の相手は第3シードの香川中央。ノーシードの瓊浦は今大会6試合目で、相手より1試合多いが、誰ひとり「疲れ」を表に出すような選手はいない。それだけの練習は積んできた。大田が仲間たちの思いを代弁した。「やってきたことを出し切って、みんなで日本一になる」

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