外為特会剰余金3.4兆円 防衛財源に充て増税先送りも

財務省、国税庁

 財務省は31日、為替介入などのために設けている外国為替資金特別会計の2022年度の剰余金が3兆4758億円になったと発表した。円安などで想定より6408億円上振れた。上振れ分の扱いは年末にかけて検討する。防衛力強化の財源に位置付けられ、防衛財源確保の増税を先送りする根拠になる可能性がある。

 外為特会では米国債などを保有し、利子収入で剰余金が生じる。22年度の剰余金は2兆8350億円と見込み、うち約1兆9千億円を防衛に回すと決めていた。想定を上回り、与党に防衛財源として当てにされそうだ。

 3日に公表した国の22年度一般会計決算の剰余金も膨らみ、防衛に回す金額が想定の年度平均と比べ約6千億円多くなった。一般会計の剰余金も防衛増税の代替財源の候補になる。

 政府は昨年12月、23~27年度に防衛費を従来水準から約17兆円増やすと決め、特会の剰余金や増税などで賄うとした。増税は24年以降を計画し、27年度時点で1兆円強を見込んでいた。与党内では増税先送り論が強く、24年からの実施は見送りが濃厚。

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