バサジィ大分 後半戦展望 目標達成のシナリオ 【大分県】

目標達成の条件

①ラストパス、シュート精度向上

②試合の進め方の意思統一

③スピーディーな攻撃への切り替え

シーズンの折り返し地点が迫るFリーグ1部。バサジィ大分は3勝3分4敗、勝ち点12で8位にいる。目標は、12チームによる2回戦総当たりのリーグ戦後に行われる、上位6チームによる「ファイナルシーズン」への出場となる。そこで今回は現状を踏まえ、目標達成へのシナリオを描いてみた。

「勝ち切れなかっただけ。チャンスは作ったし、シュートまでの形も良かった」。狩野新監督がそう語ったのは10節・エスポラーダ北海道戦後のこと。9節・名古屋オーシャンズ戦に続き、試合を有利に進めながら引き分けに終わった。

内容は悪くはない。狙うスタイルを体現し、主導権を握った試合は何度もあった。指揮官の言葉には、結果が出なければ内容も評価されない悔しさがにじみ、選手からも「手応えはあるが、引き分けでは意味がない。足りないのは得点だけ。ゴール前の質、攻撃の厚みが必要」(野口茅斗)という言葉が聞かれた。

ファイナルシーズンを目指すバサジィ大分

シーズン途中に獲得したブラジル出身のルアンとリシは、足りなかった部分を埋めるピース。今季好調の仁部屋和弘との相性は良い。仁部屋が北海道戦で見せたヒールパスなど、高度な技術を駆使して局面を打開するコンビネーションは、今後に可能性を抱かせた。これまでのシーズンは、ゲームメイクをして試合をコントロールし、決定的な場面を作り出してきた仁部屋だが、「今季は役割が少なく、ゴールに近いポジションで得点の部分を任せられている」と話すように、ここまで得点ランキング5位の8得点を挙げている。

ルアンとリシの加入で攻撃のバリエーションが増えたことは大きい。あとはコミュニケーションを高め、速攻と遅攻の使い分け、時間帯による試合の進め方、終わらせ方など意思統一を図れば、老獪(ろうかい)さも生まれてくるはずだ。

もちろん、攻撃偏重となって、ベースである守備と球際の粘り強さを失っては元も子もない。局面の勝負に忍耐強く対処し、いかに素早く攻守の切り替えができるかが今後のテーマになる。

外国人選手とのコミュニケーション向上が重要となる

(柚野真也)

© オー!エス! OITA SPORTS