被災地で夏の「寺子屋」 珠洲・正院 講師に飯田高生 公民館、児童集め勉強支援

小町公民館長と打ち合わせをする(右から)吉田さんと前さん=珠洲市正院公民館

 珠洲市正院公民館で夏休み中、児童を対象に無料の学習会が開かれる。地元正院小出身者が講師を務め、8月1日から3日間は飯田高3年生2人が指導する。地震の被災地に暮らす子どもたちの勉強をサポートするとともに、若い世代の交流を深める夏の「寺子屋」となる。

 児童が28人いる正院地区には、学校の夏休み期間に子どもが勉強を教えてもらう場所がない。さらに地震が続いていることから、両親が日中、仕事でいない家庭から「子どもを家に1人にするのが不安だ」という声が上がっていた。

 このため、小町康夫公民館長(69)が中心となり、夏休みに児童を集め、学習支援を行うことを計画。若い世代が交流を深める機会にしたいと考え、10~20代の正院小卒業生らに声を掛けた。

 第1弾として1日から3日まで「ナツガク」と銘打ち、午前9~11時に学習会を開く。飯田高3年の前龍二さん(18)、吉田澪(れい)さん(17)の2人が講師を務める。

 児童約20人が参加する予定で、算数や国語など夏休みの宿題で分からない問題を教える。学習会後には高校生たちが考えたミニゲームを通じて交流する。

 今後は地元出身の大学生にも声を掛け、大学の長期休み期間に開催することも計画している。

 前さんは「普段関わることのない小学生たちと交流を深めたい」と話し、吉田さんは「宿題などで困っている児童のために協力したい」と意気込んだ。

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