パナソニック、液晶子会社を解散 5800億円の債権放棄

パナソニックHDの解散する子会社が液晶パネルを生産していた工場=2018年2月、兵庫県姫路市

 パナソニックホールディングス(HD)は液晶パネル生産撤退に伴い、兵庫県姫路市の子会社「パナソニック液晶ディスプレイ(PLD)」を解散し、特別清算手続きを始めると発表した。5800億円の債権放棄を実施する。姫路工場は現在、パナソニックHDが保有し、EV向け電池の生産に活用しており、事業構造の転換を進める。

 PLDの前身会社は2010年、テレビ向け液晶パネルの生産を開始。韓国や中国勢との価格競争にさらされ16年にテレビ向け生産を終了し、車載や産業用に特化していた。19年には工場の生産終了を決め、現在はトヨタ自動車との共同出資会社がEV電池を生産している。従業員は既にグループ内で配置転換した。

 パナソニックHDが31日発表した23年4~6月期の連結純利益は前年同期比で約4.1倍の2009億円だった。PLDの解散による繰り延べ税金資産の計上が利益を押し上げた。売上高は2.8%増の2兆296億円だった。債権放棄額は引き当て済みで、新たな損失は発生しないという。

© 一般社団法人共同通信社