虐待親、子の介護義務を免除 シンガポール、抑止狙い

 【シンガポール共同】シンガポール議会は7月、子を虐待した経験のある親が子から介護や経済的支援を受けられないとする「両親扶養法」改正案を可決した。福祉は自助が基本で政府予算を抑えるシンガポールでは、子が高齢の親の世話をすることが義務付けられている。ただ最近は児童虐待件数が増加傾向で、抑止の狙いもありそうだ。

 政府は1995年制定の両親扶養法で、生計が困難な親を子が扶養することを義務付けた。子の支援が受けられない親は政府の裁定機関に申し立て、子が仲裁案に従わない場合は罰則もある。

 改正法では、親は仲裁を申し立てる前に、虐待や育児放棄の有無を申告する必要がある。

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